任意整理をした後に再び返済が苦しくなってしまった方は、2回目の任意整理ができるのか不安を感じているのではないでしょうか。
結論から言うと、2回目の任意整理は可能です。
ただし、同じ債権者に対する再和解は1回目よりも条件が厳しくなります。
一方で、前回任意整理をしていた場合でも、異なる債権者との交渉であれば影響はありません。
本記事では、2回目や3回目の任意整理ができるケースとできないケース、再和解を成功させるポイントについて詳しく解説します。
再び借金問題に直面している方は、早めに専門家に相談して適切な解決方法を見つけましょう。
目次
任意整理とは?

任意整理とは、債権者と直接交渉して将来利息のカットや返済期間の延長を行う債務整理の方法です。
裁判所を通さずに手続きができるため、債務整理の中でも最も利用されています。
日本弁護士連合会の調査によると、2023年の債務整理事件のうち任意整理は約70%を占めています。
返済期間も3年から5年程度に延長できるため、毎月の返済負担を軽減できるのが特徴です。
出典:日本弁護士連合会「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査」
同じ債権者に対しての2回目の任意整理は「再和解」
同じ債権者に対して、2回目の任意整理を行うことを「再和解」と呼びます。
1回目の任意整理後に返済が滞ってしまい、再度和解条件の見直しを求める手続きだからです。
再和解では、返済期間のさらなる延長や月々の返済額の減額を交渉します。
ただし、債権者側からすると「また約束を破るのではないか」という不信感が生まれやすい状況です。
そのため、1回目の任意整理よりも交渉が難航する可能性が高くなります。
再和解の条件は1回目より厳しい
再和解では、債権者が提示する条件が1回目よりも厳しくなるケースが一般的です。
過去に一度和解したにもかかわらず、約束を守れなかったことを意味するからです。
再和解の主な厳しい条件として、返済期間の短縮や一括返済の要求が挙げられます。
また、和解に応じる代わりに保証人を立てることを求められる場合もあります。
さらに、債権者によっては再和解自体を拒否する方針を取っているところもあるため、交渉が成立しない可能性も考慮する必要があります。
2回目の任意整理は可能だが要注意

2回目の任意整理は法律上可能ですが、実際に成功させるにはいくつかの注意点があります。
以下では、2回目の任意整理を検討する際に知っておくべき重要なポイントを解説します。
1回目と別の債権者であれば影響はない
1回目の任意整理とは別の債権者に対して任意整理を行う場合、特に大きな影響はありません。
本人にとって2回目でも、新しい債権者にとっては初めての任意整理となるためです。
通常の手続きと同様に交渉することが可能です。
たとえば、1回目にA社とB社を任意整理し、2回目にC社とD社を任意整理するケースが該当します。
同じ債権者への任意整理は難易度が上がる
同じ債権者に対して2回目の任意整理を申し入れる場合、交渉の難易度は大幅に上がります。
債権者からすると、一度決めた返済計画を守れなかった相手との再交渉になるからです。
債権者は「また返済が滞るのではないか」という懸念を強く持つため、和解条件が厳しくなります。
具体的には、返済期間を短くされたり、一部の一括返済を求められたりするケースがあります。
また、債権者によっては再和解自体を受け付けない方針を取っている場合もあるため、弁護士に依頼して慎重に交渉を進める必要があります。
3回目の任意整理は困難
3回目の任意整理は、実現可能性が極めて低いと考えるべきです。
2回も返済計画を守れなかった実績があるため、債権者が交渉に応じる可能性はほとんどないからです。
2回目の和解でもどうにもならない場合、任意整理する債権者を増やす「追加介入」か、個人再生・自己破産を選ぶことになります。
2回目の任意整理ができないケース

2回目の任意整理は常に可能なわけではなく、いくつかの条件下では実現が困難になります。
以下では、2回目の任意整理が難しい具体的なケースについて解説します。
同じ債権者に対する2回目の任意整理
同じ債権者に対する2回目の任意整理は、最も成功しにくいパターンです。
一度和解したにもかかわらず、約束を守れなかったからです。
特に1回目の任意整理後、数ヶ月で再び返済が滞った場合は信用が著しく低下します。
債権者によっては「これ以上の猶予は不可能」と判断し、一括返済を求めてくることもあります。
また、弁護士が間に入っても交渉を拒否され、訴訟に発展する可能性も考えなければなりません。
このような状況では、個人再生や自己破産といった裁判所を通じた債務整理を検討する必要があります。
任意整理に応じない債権者
そもそも任意整理に応じない方針を取っている債権者に対しては、2回目の交渉も不可能です。
任意整理はあくまで債権者の任意の協力によって成立する手続きだからです。
一部の消費者金融や信販会社は、会社の方針として任意整理自体を受け付けていません。
また、過去に返済が大幅に遅れた履歴がある場合、通常は応じる債権者でも拒否するケースがあります。
債権者が交渉に応じない場合は、弁護士を通じて粘り強く交渉するか、他の債務整理方法を選択するしかありません。
2回目以降の任意整理ができないときの対処法

2回目の任意整理が困難な場合でも、借金問題を解決する方法は存在します。
以下では、2回目の任意整理ができないときの具体的な対処法を3つ紹介します。
任意整理の対象を増やす追加介入
追加介入とは、当初の任意整理で除外した債権者を新たに任意整理の対象に加える方法です。
複数の借入先があり、一部だけを任意整理していたケースで有効です。
たとえば、最初にA社とB社だけを任意整理し、C社とD社からの借入は対象外にしていた場合が該当します。
C社とD社も任意整理の対象に加えることで、全体の返済額を減らし、毎月の負担を軽くできます。
ただし、追加介入を行っても返済が困難な場合は、個人再生や自己破産を検討する必要があります。
借金の元金を減額する個人再生
個人再生は、裁判所を通じて借金の元金を大幅に減額できる債務整理の方法です。
任意整理では元金は減らせませんが、個人再生では借金総額を5分の1~10分の1程度まで減額できます。
裁判所のデータによると、2023年の個人再生申立件数は約1万2000件でした。減額された借金は原則3年、最長5年で分割返済します。
ただし、個人再生を利用するには安定した収入があることが条件となるため、無職や収入が不安定な方は利用できません。
出典:最高裁判所「司法統計年報」
すべての返済義務が免除される自己破産
自己破産は、裁判所に申し立てることで、ほぼすべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
収入が少なく、どのような方法でも返済が不可能な状況で選択される最終手段です。
自己破産が認められると、税金や養育費などの一部の債務を除き、返済義務がなくなります。
ただし、一定の財産は処分される可能性があり、職業制限を受ける期間もあります。
それでも、借金問題から完全に解放されて人生を再スタートできる点は大きなメリットです。
2回目の任意整理(再和解)のポイント

2回目の任意整理を成功させるには、債権者の信頼を取り戻す努力が欠かせません。
以下では、再和解を成功させるための3つの重要なポイントを解説します。
任意整理に強い弁護士に交渉を依頼する
2回目の任意整理では、債務整理の経験が豊富な弁護士に依頼することが重要です。
再和解の交渉は1回目よりも難しく、専門的な知識と交渉力が求められるからです。
債務整理を専門としている弁護士は、各債権者の対応パターンや交渉のコツを熟知しています。
また、債権者との信頼関係を構築している弁護士であれば、再和解が成立しやすくなります。
弁護士選びでは、債務整理の実績や口コミを確認し、初回相談で信頼できるかを見極めましょう。
再び返済が難しくなった事情を話す
再和解の交渉では、なぜ返済が困難になったのか、その事情を正直に伝えることが大切です。
債権者は納得できる理由があれば、再度の交渉に応じる可能性があるからです。
たとえば、病気やケガによる収入減少、勤務先の倒産、家族の介護などの事情が該当します。
ただし、単なる浪費や計画性のない支出が原因の場合は、債権者の理解を得るのは難しくなります。
弁護士と相談しながら、債権者が納得しやすい説明を準備することが成功の鍵となります。
返済に向けどんな努力をするか具体的に話す
再和解を成功させるには、今後どのように返済していくのか、具体的な計画を示す必要があります。
債権者は、今度こそ返済してもらえるという確信を持ちたいからです。
たとえば、副業を始めて収入を増やす、生活費を見直して節約する、家族の援助を受けるなどの具体策が有効です。
また、毎月の返済可能額を現実的に算出し、無理のない返済計画を提示することも重要です。
弁護士と協力して、債権者が安心できる返済計画を作成しましょう。
まとめ:2回目の任意整理は可能だが条件が厳しくなる

2回目の任意整理は法律上可能ですが、1回目よりも条件が厳しくなることを理解しておく必要があります。
特に同じ債権者に対する再和解は、信用問題が絡むため交渉が難航しやすいです。
別の債権者であれば比較的スムーズに進むケースもありますが、3回目となるとほぼ不可能と考えるべきです。
2回目の任意整理が難しい場合は、追加介入や個人再生、自己破産といった他の債務整理方法を検討しましょう。
借金問題は放置すると状況が悪化するため、早めに債務整理に強い弁護士に相談することが重要です。
専門家のサポートを受けながら、自分に最適な解決方法を見つけて、借金問題から抜け出す第一歩を踏み出してください。

法律事務所FORWARD 代表弁護士
監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)
弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

