任意整理は自分でできる?和解後の生活、応じない業者の特徴一覧を解説

債務整理
任意整理は自分でできる?和解後の生活、応じない業者の特徴一覧を解説

弁護士費用を節約したいから、任意整理を自分でやりたい!

と考える方もいるでしょう。

法律的には、必ずしも弁護士を立てる必要はありません。

ただし、個人で行う任意整理はデメリットが非常に大きいです。

  • 債権者が交渉に応じない可能性がある
  • 不利な条件を押し付けられる
  • 金額の計算をすべて自分で行う必要がある
  • 手続きが複雑で失敗する

といったように、リスクが多いため専門家への依頼を強く推奨します。

本記事では、任意整理を自分で行うメリット・デメリット、具体的な手続きの流れ、応じない業者の特徴一覧について詳しく解説します。

和解後の振込方法や生活への影響についても触れていますので、任意整理を検討中の方はぜひ最後までお読みください。

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任意整理は自分でできる。しかしデメリットが大きい

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任意整理は、法律上、債務者本人が自分で行うことができます。

しかし、実際には債権者が個人との交渉に応じないケースが多く、たとえ交渉できても不利な条件を提示される可能性が高いです。

法律上は可能でも、現実的には自分で任意整理を成功させるのは困難と言えます。

任意整理を自分で行うメリットは費用の節約のみ

任意整理を自分で行う最大のメリットは、弁護士や司法書士への報酬を支払わずに済むことです。

専門家に依頼すると、後述するように1社あたり3万円から5万円程度の費用がかかるからです。

たとえば3社の債権者と交渉する場合、9万円から15万円程度の費用を節約できる計算になります。

しかし、この費用節約というメリット以外には、自分で任意整理を行う利点はほぼありません。

交渉が不成立に終わったり、不利な条件で和解してしまったりすれば、結果的に大きな損失につながる可能性があります。

依頼せずに自分で任意整理するデメリット

考える

任意整理を自分で行うことには、費用節約というメリットを大きく上回る多数のデメリットが存在します。

これらのデメリットを理解せずに自分で手続きを進めると、状況がさらに悪化する恐れがあります。

交渉に応じてもらえない可能性が高い

多くの貸金業者やクレジットカード会社は、個人からの任意整理の申し出に応じない方針を取っています。

弁護士や司法書士が介在しない交渉では、法的な強制力がなく、債権者にとってメリットが少ないからです。

大手消費者金融や銀行系カードローンの中には、「弁護士等を通してください」と個人との交渉を拒否する業者も存在します。

交渉の入口で門前払いされてしまえば、任意整理自体が不可能になります。

債権者からの督促が止まらない

弁護士や司法書士に依頼すると、受任通知が債権者に送付され、督促が法的に停止します。

貸金業法第21条により、弁護士等から債務整理の受任通知を受け取った貸金業者は、債務者に直接取り立てをしてはならないと定められているからです。

しかし、自分で任意整理を行う場合、この保護は適用されません

債権者からの電話や郵便による督促が続くため、精神的な負担が非常に大きくなります。

引き直し計算を自分で行う必要がある

任意整理では、過去の取引を利息制限法に基づいて再計算する「引き直し計算」が必要です。

利息制限法では、借入額に応じて年15%から20%の上限金利が定められており、超える利息を支払っていた場合は元本と相殺できます。

しかし、この計算は専門的な知識と正確性が求められるので、個人で行うとミスのリスクが高まります

計算ミスがあると、債権者に指摘されて交渉が難航します。

出典:e-Gov法令検索「利息制限法

不利な条件での和解を強いられる可能性がある

仮に交渉に応じてもらえたとしても、個人では債権者に有利な条件を押し付けられるリスクがあります。

債権者は交渉のプロです。

法律知識が乏しい個人を相手にすると、将来利息のカットを認めない可能性もあります。

弁護士や司法書士が交渉すれば、3年から5年の分割払いで将来利息をカットできるケースが多いです。

しかし、自分で交渉すると、2年以内の返済や利息付きでの和解を提案されることもあります。

任意整理できなかった際の対策が立てられない

任意整理が不成立に終わった場合、自己破産といった他の債務整理手続きを検討する必要があります。

しかし、専門家に依頼していれば、任意整理がうまくいかない場合でも、すぐに次の手段に切り替えらるのです。

自分で任意整理を試みて失敗すると、その間に債権者が訴訟を起こしたり、給与差し押さえの手続きを進めたりする可能性があります。

結果として、より不利な状況に追い込まれてしまうリスクが高まります。

任意整理とは?

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任意整理は、債務整理の方法の一つで、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して返済条件を見直す手続きです。

任意整理の基本的な仕組みと、自分で行うための条件について詳しく見ていきましょう。

任意整理の概要

任意整理は、現在の借金の元本を原則として3年から5年かけて分割返済する合意を債権者と結ぶ手続きです。

将来発生する利息をカットしてもらい、毎月の返済額を減らすことで完済を目指します。

自己破産のように財産を処分する必要がなく、個人再生のように裁判所への申立てが不要なため、手続きが比較的シンプルです。

ただし、信用情報機関に事故情報が登録されるため、5年程度は新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなります。

任意整理を自分で行う条件

任意整理を自分で行うには、いくつかの条件を満たす必要があります。

以下、3つの重要な条件について詳しく解説します。

安定した収入があること

任意整理では、和解後に3年から5年かけて借金の元本を返済していく必要があります。

確実に返済できる安定した収入がなければ、債権者は和解に応じないからです。

正社員や公務員であれば問題ありませんが、アルバイトやパートの場合でも、継続的な収入が証明できれば交渉は可能です。

ただし、無職や収入が不安定な場合は、任意整理ではなく自己破産を検討する必要があります。

法律知識と交渉力があること

任意整理を自分で行うには、利息制限法や貸金業法などの基本的な法律知識が必要です。

債権者との交渉では、法的な根拠を示して主張しなければ相手にされないからです。

引き直し計算の方法、和解条件の相場、債権者の権利と義務について理解していなければ、不利な条件を押し付けられるリスクが高まります。

また、債権者の担当者と対等に交渉できるコミュニケーション能力も求められます。

時間と精神的余裕があること

債権者からの督促が続く中で冷静に交渉を進めるには、相当な精神的および時間的な余裕が必要です。

任意整理の手続きには、取引履歴の取り寄せ、引き直し計算、債権者との複数回の交渉など、多くの時間と労力がかかります。

日中に債権者とやり取りできる時間的余裕と、ストレスに耐えられる精神力がなければ、自分で任意整理を行うのは困難です。

任意整理を自分で行う際の流れ4ステップ

方法 ステップ

任意整理を自分で行う場合、4つの主要なステップを踏む必要があります。

それぞれのステップについて、具体的な方法と注意点を詳しく解説します。

借入先に取引履歴を開示請求する

まず、すべての債権者に対して取引履歴の開示を請求します。

過去の借入額、返済額、利息などの詳細な記録がなければ、正確な引き直し計算ができないからです。

貸金業法第19条の2により、債務者は貸金業者に対して取引履歴の開示を請求する権利があります。

請求方法は、電話で連絡して書面での請求書を送付するのが一般的です。

開示までには通常2週間から1か月程度かかるため、余裕を持って請求しましょう。

出典:金融庁「貸金業法

引き直し計算を行う

取引履歴を入手したら、利息制限法に基づいて引き直し計算を行います。

過去に利息制限法の上限を超える利息を支払っていた場合、その分を元本に充当して実際の借金額を算出するからです。

利息制限法では、元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%が上限金利です。

計算には専用の計算ソフトやエクセルのテンプレートを使用するのが確実です。

計算結果は和解交渉の基礎となるため、慎重かつ正確に行う必要があります。

和解案を作成し、借入先と交渉する

引き直し計算が完了したら、具体的な和解案を作成して債権者に提示します。

  • 毎月いくら返済できるか
  • 何年で完済するか
  • 将来利息をどうするか

といった条件を明確にする必要があるからです。

一般的な和解案では、将来利息をゼロにして、元本のみを36回から60回の分割払いで返済する内容になります。

債権者に電話または書面で和解案を提示し、交渉を開始します。

債権者からの反対提案があれば、自分の返済能力の範囲内で譲歩できる点を検討し、再度交渉を重ねます。

和解合意書を作成する

交渉がまとまったら、和解合意書を作成して双方で署名・捺印します。

和解合意書には、債務の総額、返済期間、毎月の返済額、振込先、遅延した場合の扱いなどを明記します。

債権者によっては独自の和解書の雛形を提示してくることもありますが、内容をよく確認してから署名しましょう。

和解合意書が完成したら、和解後は毎月指定された日に確実に振込を行い、完済を目指します。

任意整理にかかる費用を解説

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任意整理にかかる費用は、自分で行うか専門家に依頼するかで大きく異なります。

それぞれのケースでどの程度の費用がかかるのか、具体的な金額を示しながら解説します。

任意整理を自分で行う場合

任意整理を自分で行う場合、基本的には実費のみで手続きを進められます。

弁護士や司法書士への報酬が不要なため、数千円程度の出費で済みます

具体的には、取引履歴の開示請求にかかる郵送料が債権者1社あたり数百円、和解合意書の作成にかかる印紙代や郵送料が1社あたり数百円程度です。

仮に5社の債権者と交渉する場合でも、合計で5,000円以内に収まるケースがほとんどです。

弁護士・司法書士に依頼する場合

弁護士や司法書士に任意整理を依頼する場合、着手金と報酬金が主な費用となります。

多くの法律事務所では、1社あたり3万円5万円の費用設定が一般的です。

日本弁護士連合会の規定では、1社あたりの費用は着手金と報酬金を合わせて5万円程度が上限とされているからです。

仮に3社の債権者を任意整理する場合、9万円から15万円程度の費用がかかります。

ただし、過払い金が発生した場合は、回収額の20%程度の成功報酬が追加されることもあります。

出典:日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程

任意整理を弁護士・司法書士に依頼するメリット

merit メリット

任意整理を弁護士や司法書士に依頼すると、費用はかかりますが、多くのメリットがあります。

以下、主要な4つのメリットについて詳しく解説します。

債権者との交渉をすべて任せられる

弁護士や司法書士に依頼すれば、債権者との面倒な交渉をすべて代行してもらえます。

弁護士や認定司法書士は法律事務を代理する権限を持っているからです。

取引履歴の取り寄せ、引き直し計算、和解案の提示、債権者との電話や書面でのやり取りなど、煩雑な作業をすべて専門家が行います。

依頼者は専門家からの報告を受けて方針を決めるだけで済むため、時間的・精神的な負担が大幅に軽減されます。

和解案を一緒に考えてくれる

弁護士や司法書士は、依頼者の収入や生活状況を考慮して、現実的な和解案を一緒に考えてくれます

無理な返済計画では和解後に支払いが滞り、結局は自己破産に至るケースもあります。

専門家は過去の事例から、どの程度の分割回数なら債権者が応じやすいか、将来利息のカットがどこまで可能かを熟知しています。

依頼者の家計を詳しくヒアリングした上で、生活を維持しながら完済できる最適な和解案を提案してくれます。

債権者からの取り立てが止まる

弁護士や司法書士が受任すると、すぐに債権者に受任通知が送られ、取り立てが法的に停止します。

ところが、個人で任意整理を行った場合、取り立てを止めることはできません。

これにより、債権者からの督促電話や催促状が止まり、精神的なストレスが大幅に軽減されます。

受任通知送付後は、すべての連絡が弁護士や司法書士を通じて行われるため、債務者が直接対応する必要がなくなります。

家族にバレにくい方法を熟知している

任意整理の経験豊富な弁護士や司法書士は、家族に借金のことを知られたくない事情を理解しています。

つまり、家族にバレにくい方法も熟知しているのです。

  • 郵便物を事務所留めにする
  • 連絡は携帯電話のみにする
  • 債権者からの督促を完全に止める

自分で任意整理を行うと、債権者からの督促が自宅に届き続けるため、家族に知られるリスクが高まります。

専門家に依頼すれば、家族に内緒で手続きを進められる可能性が格段に高くなります。

任意整理に応じない業者の特徴一覧

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一部の債権者は、任意整理の交渉に応じない、または非常に厳しい条件を提示する傾向があります。

以下、任意整理に応じにくい業者の主な特徴を3つ解説します。

中小の消費者金融や個人経営の貸金業者

大手消費者金融と比べて、中小規模の貸金業者は任意整理の交渉に応じにくい傾向があります。

企業規模が小さいため、大手に比べて債権未回収のリスクが高く、回収を厳格に行わざるを得ないからです。

また、個人経営の貸金業者の中には、法律知識が乏しく、任意整理という制度自体を理解していないケースもあります。

弁護士が介入しても「全額一括で返済してください」と主張し、分割払いや利息カットに応じない業者も存在します。

こうした業者と取引がある場合は、任意整理以外の方法を検討する必要があるかもしれません。

新興のクレジットカード会社やローン会社

設立から間もないクレジットカード会社やローン会社は、任意整理の実績が少なく、対応が硬直的な場合があります。

大手企業のように、債務整理対応のマニュアルが整備されていないケースが当てはまります。

特に近年増えているフィンテック系の貸金業者は、システムによる自動審査や回収を行っているため、個別の交渉に柔軟に対応できない構造になっています。

こうした業者は、弁護士が介入しても「システム上、分割払いの設定ができません」と断られることがあります。

債権回収会社に譲渡された債権

元の債権者から債権回収会社(サービサー)に債権が譲渡されている場合、任意整理の交渉が難しくなります。

債権回収会社は債権を安く買い取っており、できるだけ多くの金額を回収することが目的だからです。

債権管理回収業に関する特別措置法に基づいて営業している正規のサービサーでも、元本の減額には応じないケースがほとんどです。

また、交渉の余地が少ないため、訴訟を起こして強制的に回収しようとする傾向が強いです。

サービサーから通知が来ている場合は、早急に弁護士に相談することが重要です。

まとめ:自分自身での任意整理は非常に高リスク

任意整理は法律上、自分で行うことができますが、実際には非常に高いリスクを伴います。

  • 債権者が個人との交渉に応じない
  • 不利な条件を押し付けられる
  • 手続きが複雑で失敗する

といった問題が頻繁に発生するからです。

費用を節約できるというメリットはありますが、交渉が不成立に終われば、その後の選択肢が狭まり、かえって状況が悪化します。

弁護士や司法書士に依頼すれば、督促が止まり、専門家の知識と経験に基づいた有利な条件での和解が期待できます。

任意整理を検討している方は、まず専門家に相談し、自分の状況に最適な方法を選択することを強くお勧めします。

任意整理で損をしたくない!という方は…

任意整理で損をしないためには、弁護士や司法書士に相談することが最も確実な方法です。

専門家は債権者との交渉実績が豊富であり、依頼者にとって最も有利な条件を引き出すノウハウを持っているからです。

多くの法律事務所では初回相談を無料で行っており、費用についても分割払いに対応しているケースが多いです。

借金問題は放置すればするほど状況が悪化しますので、今すぐ専門家に相談して、適切な解決方法を見つけてください。

一人で悩まず、まずは相談の一歩を踏み出すことが、新しい生活への第一歩となります。

\家族にバレない方法、探します/

フォワード法律事務所 保坂 康介

法律事務所FORWARD 代表弁護士

監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)

弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

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