借金の返済が苦しくなったとき、個人再生は有効な解決手段の一つです。
借金を大幅に減額できる個人再生ですが、実はいくつかのデメリットも存在します。
- 金融ブラックリストに載る
- 保証人が借金を肩代わりする
- 個人再生したことが官報に載る
- 大きな費用と時間を要する
- 整理する借金を選べない
本記事では、個人再生の主な5つのデメリットを詳しく解説します。
個人再生を検討している方は、メリットとデメリットを比較して最適な判断をするための参考にしてください。
(\相談料無料/)
目次
個人再生のデメリット5選

個人再生には借金を減額できるという大きなメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
ここでは、個人再生における代表的な5つのデメリットを詳しく解説します。
金融ブラックリストに載る
個人再生を行うと、信用情報機関に事故情報として登録されます。
一般的に「ブラックリストに載る」と呼ばれる状態になるからです。
この状態になると、新たなクレジットカードの作成や各種ローンの審査に通らなくなります。
住宅ローンや自動車ローンはもちろん、携帯電話の分割払いも難しくなるでしょう。
信用情報機関への登録期間は、一般的に5年から7年程度続きます。
個人再生後は現金での生活が基本となるため、生活設計を見直す必要があります。
保証人が借金を肩代わりする
個人再生を行うと、保証人に大きな影響を与えます。
債務者本人の借金は減額されますが、保証人には減額前の金額が請求されるからです。
たとえば、500万円の借金を個人再生で100万円に減額した場合でも、保証人には残りの400万円が一括請求されます。
保証人が支払えない場合、保証人自身も債務整理を検討しなければならなくなるでしょう。
保証人への影響を最小限にするため、別の債務整理方法を選択することも一つの選択肢となります。
個人再生したことが官報に載る
個人再生の手続きを行うと、必ず官報に掲載されます。
官報とは、国が発行する機関紙のことです。
個人再生の場合、手続きの開始決定時、再生計画案の書面決議または意見聴取時、再生計画の認可決定時の合計3回掲載されます。
官報には氏名、住所、手続きの内容などが記載されます。
官報を見た闇金業者からダイレクトメールが届くケースもあるため、注意が必要です。
大きな費用と時間を要する
個人再生の手続きには、相当な費用と時間がかかります。
弁護士費用や裁判所費用を含め、50万円から80万円程度が必要になるからです。
申立書類の作成には多くの資料が必要で、準備に数か月を要することもあります。
裁判所への申立てから再生計画の認可決定まで、一般的に6か月から1年程度の期間が必要です。
日本弁護士連合会の統計によると、個人再生の平均処理期間は約8か月とされています。
手続き中は債権者との交渉や書類提出など、精神的な負担も大きくなるでしょう。
整理する借金を選べない
個人再生では、すべての債務を平等に扱わなければなりません。
つまり、保証人のついた借金を外して、他の借金のみを整理することはできません。
「債権者平等の原則」と呼び、法律で定められているルールです。
たとえば、自動車ローンだけは支払いを続けたいと思っても、個人再生の対象に含める必要があります。
任意整理であれば整理する債権者を選択できますが、個人再生ではそれができない点が大きな違いです。
個人再生とは?

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額する法的な債務整理手続きです。
民事再生法に基づき、経済的に困窮した個人が生活を再建するための制度です。借金総額を約80%減額し、残った金額を3年から5年かけて分割返済します。
個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。
個人再生のメリット

個人再生には、デメリットだけでなく多くのメリットも存在します。
ここでは、個人再生の主な4つのメリットを詳しく解説します。
借金を約80%減額できる
個人再生の最大のメリットは、借金を大幅に減額できることです。
法律で定められた基準に従い、借金総額を原則5分の1まで圧縮できるからです。
たとえば、500万円の借金がある場合、個人再生によって100万円まで減額される可能性があります。
借金総額が100万円未満の場合は減額されませんが、100万円以上3000万円未満であれば最低弁済額が適用されます。
3000万円以上5000万円以下の場合は、借金総額の10分の1まで減額可能です。
自己破産と違い持ち家を残せる
個人再生では、住宅ローン特則を利用することで自宅を手放さずに済みます。
住宅ローンは従来通り支払いながら、他の借金だけを減額できる制度です。
自己破産では原則としてすべての財産が処分されますが、個人再生では住宅を守れます。
家族と一緒に住んでいる場合、生活環境を大きく変えずに借金問題を解決できるでしょう。
持ち家を維持できることは、個人再生が自己破産と大きく異なる点です。
借金の理由が問われない
個人再生では、借金をした理由を問われることがありません。
自己破産のような免責不許可事由が存在しないからです。
ギャンブルや浪費、投資の失敗などが原因の借金でも、個人再生の対象となります。
自己破産の場合、浪費やギャンブルによる借金は免責が認められない可能性があります。
個人再生であれば、借金の原因に関わらず手続きを進められるのです。
借金の理由を問われない点は、多くの人にとって利用しやすい制度といえるでしょう。
財産の没収がない
個人再生では、基本的に財産を処分する必要がありません。
自動車や貴金属、保険の解約返戻金なども、一定の範囲内であれば保有し続けられます。
ただし、保有する財産の総額によっては、最低弁済額が増える可能性があります。
清算価値保障原則により、財産の評価額以上は返済しなければならないルールがあるからです。
生活に必要な財産を維持しながら借金を整理できる点が、個人再生の大きな利点です。
個人再生の注意点

個人再生を利用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
ここでは、個人再生における主な注意点を詳しく説明します。
個人再生ができないケースがある
個人再生は誰でも利用できる制度ではありません。主なケースを2つ解説します。
安定した収入がない場合
個人再生を利用するには、継続的または反復的な収入が必要です。
減額後の借金を3年から5年かけて返済する必要があるからです。無職や収入が不安定な状態では、再生計画の履行が困難と判断されます。
アルバイトやパートでも、継続的な収入があれば個人再生は可能です。ただし、月々の返済額を支払える十分な収入があることを証明しなければなりません。
収入が不安定な場合は、自己破産など他の債務整理を検討する必要があるでしょう。
借金総額が5,000万円を超える場合
個人再生を利用できる借金総額には上限があります。
住宅ローンを除く借金総額が5,000万円を超えると手続きができないからです。
たとえば、事業の失敗などで6,000万円の借金がある場合、個人再生は利用できません。
借金総額が5,000万円を超える場合は、通常の民事再生手続きを検討することになります。
借金総額が5,000万円を超えるかどうかは、手続き開始前に正確に把握しておくべきです。
資産額が多いと弁済額が増える
個人再生では、保有する資産の総額が返済額に影響します。
清算価値保障原則により、最低でも財産の評価額以上は返済する必要があるからです。
たとえば、借金が500万円で最低弁済額が100万円でも、保有財産が200万円あれば200万円を返済する必要があります。
自動車、不動産、預貯金、保険の解約返戻金、退職金見込額などが財産評価の対象です。
資産が多い場合、個人再生のメリットが小さくなる可能性があります。
弁護士や司法書士に相談し、財産評価額と返済額を事前に確認しておくことが重要です。
他の債務整理の方が適しているケースがある
個人再生が必ずしも最適な債務整理方法とは限りません。
借金の総額や収入状況によっては、任意整理や自己破産の方が適している場合があるからです。
借金総額が比較的少なく、利息のカットだけで返済可能なら任意整理が適しています。
逆に、収入がほとんどなく返済能力がない場合は、自己破産を検討すべきでしょう。
専門家に相談し、自分の状況に最も合った債務整理方法を選択することが大切です。
税金や慰謝料などは減額されない
個人再生では、すべての債務が減額されるわけではありません。
非減免債権として扱われ、減額の対象外となる債務があるからです。
- 税金
- 社会保険料
- 養育費
- 慰謝料
住民税、所得税、固定資産税、国民健康保険料などは全額支払う義務が残ります。
離婚に伴う慰謝料や養育費も、個人再生の手続きとは関係なく支払わなければなりません。
減額されない債務の金額が大きい場合、個人再生後の生活が依然として苦しくなる恐れがあります。
手続き前に、どの債務が減額対象かを正確に把握しておくことが重要です。
個人再生についてよくある質問

個人再生を検討する際、多くの人が同じような疑問を持ちます。
ここでは、特に多く寄せられる質問について詳しく回答します。
個人再生をすると会社や家族にバレる?
基本的にバレる可能性は低いです。
裁判所から会社や家族に直接通知が行くことはないからです。
家族や会社にバレたくない場合は、弁護士に相談して慎重に手続きを進めることをおすすめします。
まとめ:個人再生はメリットとデメリットを慎重に比べよう

個人再生には借金を大幅に減額できるメリットがある一方で、無視できないデメリットも存在します。
信用情報機関への登録、保証人への影響、官報掲載など、事前に理解すべき点は多いです。
会社にバレるリスクは一般的には低いものの、会社からの借入がある場合は避けられません。
安定した収入がない場合や借金総額が5000万円を超える場合は、手続きができないケースもあります。
個人再生を検討する際は、メリットとデメリットを十分に比較検討することが重要です。
自分の状況に最も適した債務整理方法を選ぶため、必ず弁護士や司法書士に相談してください。
専門家のアドバイスを受けることで、後悔のない判断ができるでしょう。
(\相談料無料/)

法律事務所FORWARD 代表弁護士
監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)
弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

