自己破産したら連帯保証人に何が起こる…?
借金の返済が困難になり自己破産を考えている方の中には、連帯保証人への影響を心配されている方も多いと思います。
結論、主債務者が自己破産をすると、連帯保証人に対して一括請求が行われます。
連帯保証人は主債務者と同等の責任を負うため、主債務者が返済できなくなった場合、その債務は連帯保証人に移転するのです。
本記事では自己破産が連帯保証人に与える影響、連帯保証人に請求された場合の対処方法、そして迷惑をかけないための具体的な方法について詳しく解説します。
自己破産を検討中の方や、すでに連帯保証人になっている方は、ぜひ最後までお読みください。(5分で読めます)
目次
結論:自己破産すると連帯保証人に一括請求される

主債務者が自己破産の手続きを開始すると、債権者は連帯保証人に対して残債務の一括請求を行います。
これは法律上、連帯保証人が主債務者と連帯して債務を負担する義務があるためです。
主債務者が月々分割で返済していた借金も、自己破産によって期限の利益を喪失するため、連帯保証人には残額全額が一度に請求されることになります。
したがって自己破産を検討する際には、連帯保証人への影響を十分に考慮し、事前に相談することが極めて重要です。
連帯保証人も自己破産はできる
連帯保証人に請求が来た場合でも、連帯保証人自身が支払い能力を欠く状況であれば自己破産は可能です。
連帯保証人だからといって自己破産ができないわけではなく、支払い不能の状態にあれば法的に認められた権利として破産手続きを申し立てることができます。
実際に主債務者の自己破産がきっかけで、連帯保証人まで経済的に困窮し破産に至るケースは少なくありません。
ただし連帯保証人が自己破産すると、その連帯保証人の信用情報にも傷がつき、今後の借り入れやクレジットカードの利用が制限される点には注意が必要です。
自己破産すると連帯保証人はどうなる?
主債務者が自己破産すると、連帯保証人は債権者から直接請求を受けることになります。
債権者にとって主債務者が破産したことは、債権回収が困難になったことを意味するため、速やかに連帯保証人に対して支払いを求めてきます。
連帯保証人には抗弁権がないため、主債務者に対して先に請求してほしいとか、財産を差し押さえてからにしてほしいといった主張は認められません。
つまり債権者は主債務者と連帯保証人のどちらに対しても自由に請求できるため、回収しやすい方から優先的に取り立てを行うのが一般的です。
本人の返済義務が連帯保証人に移る
自己破産によって主債務者本人の返済義務は免責されますが、その義務が消滅するわけではなく連帯保証人に移転します。
連帯保証人は主債務者と同一の立場で債務を負担しているため、主債務者が支払えなくなった分を全額負担する責任があります。
たとえば住宅購入のために3000万円の借り入れを行い、その後主債務者が自己破産した場合、残債務がそのまま連帯保証人に請求されることになります。
この請求は法的に正当なものであり、連帯保証人は拒否することができません。
連帯保証人まで自己破産するリスクがある
主債務者の自己破産により、高額な債務が一括請求された連帯保証人が自己破産に追い込まれるケースは珍しくありません。
特に事業資金の借り入れや住宅ローンなど高額な債務の場合、連帯保証人も多額の負債を背負うことになり経済的に破綻する可能性が高まります。
連帯保証人が自己破産すると、その人の財産も処分の対象となり、持ち家や車などの資産を失うことになります。
また信用情報機関に事故情報が登録されるため、今後5年から10年程度は新たな借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。
自己破産して連帯保証人に請求された場合の対処法3選

連帯保証人として債務の請求を受けた場合には、冷静に状況を把握し適切な対処を行うことが重要です。
ここでは連帯保証人に請求が来た場合の具体的な対処方法を3つご紹介します。
一括返済する
連帯保証人に十分な資産や収入がある場合は、請求された債務を一括で返済することが最も確実な解決方法です。
一括返済することで債務関係が完全に清算され、今後債権者から請求を受けることもなくなります。
また遅延損害金などの追加費用が発生する前に返済できるため、最終的な負担額を抑えることができます。
ただし手元の現金を全て使ってしまうと生活が困難になる可能性もあるため、返済後の生活資金を確保した上で判断することが大切です。
分割払いを交渉する
一括での返済が難しい場合は、債権者に対して分割払いの交渉を行うことも一つの選択肢です。
債権者にとっても全額回収できないよりは分割でも確実に回収できる方が望ましいため、交渉に応じてくれる可能性があります。
交渉の際には現実的な返済計画を提示し、毎月確実に返済できる金額を伝えることが重要です。
ただし債権者には分割払いに応じる義務はないため、必ずしも希望通りの条件で合意できるとは限らない点に注意が必要です。
債務整理を検討する
請求された金額が大きく返済の見込みが立たない場合は、連帯保証人自身も債務整理を検討する必要があります。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産などの方法があり、それぞれ債務の減額幅や手続きの条件が異なります。
どの方法が最適かは個々の状況によって異なるため、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
自己破産で連帯保証人に迷惑をかけないためのポイント

自己破産を検討する際には、連帯保証人への影響を最小限に抑えるための対策を講じることが重要です。
ここでは連帯保証人に迷惑をかけないための具体的な方法を4つご紹介します。
連帯保証人がついた借金を先に返すのは絶対にダメ
自己破産を予定している場合、連帯保証人がついた借金だけを優先的に返済する行為は偏頗(へんぱ)弁済として問題になります。
偏頗弁済とは特定の債権者にだけ有利な返済を行うことで、破産法において禁止されている行為です。
この行為が発覚すると免責が認められなくなる可能性があり、自己破産そのものが失敗に終わるリスクがあります。
また偏頗弁済として返済した金額は、破産管財人によって取り戻され債権者全体に配当されることになるため、連帯保証人を守ることにもなりません。
したがって自己破産を決意したら、全ての債権者に対して平等に対応することが法律上求められます。
自己破産する前に連帯保証人に事情を話す
自己破産の手続きを開始する前に、必ず連帯保証人に対して現在の状況と自己破産を検討していることを伝えましょう。
事前に説明することで連帯保証人も心の準備ができ、請求に対する対応策を考える時間を確保できます。
突然請求が来て初めて事態を知るよりも、事前に相談を受けていた方が人間関係のトラブルを避けることができます。
また連帯保証人も早めに弁護士などの専門家に相談する機会を得られるため、適切な対処方法を選択しやすくなります。
自己破産以外の債務整理を検討する
連帯保証人への影響を考慮すると、自己破産以外の債務整理の方法を検討することも重要な選択肢です。
任意整理であれば整理する債務を選択できるため、連帯保証人がついた借金を除外して手続きを進めることが可能です。
この場合、連帯保証人がついた借金は従来通り返済を続け、その他の債務のみを整理することで連帯保証人への請求を回避できます。
ただし任意整理では債務の減額幅が限定的であるため、返済が可能な範囲内での解決が前提となります。
個人再生の場合も住宅ローン以外の債務は減額されますが、連帯保証人には請求が行くため注意が必要です。
持ち家を任意売却して負債額を減らす
住宅ローンに連帯保証人がついている場合、自己破産前に持ち家を任意売却することで負債額を減らすことができます。
任意売却とは債権者の同意を得た上で市場価格に近い金額で不動産を売却する方法です。
競売による売却よりも高値で売れる可能性が高く、結果として残債務を圧縮できるため連帯保証人の負担も軽減されます。
ただし任意売却には債権者の同意が必要であり、必ずしも希望通りに進むとは限りません。
また売却後も残債務が残る場合は、その分について連帯保証人に請求が行くことになります。
連帯保証人と保証人はどう違う?

連帯保証人と保証人は似た言葉ですが、法律上の責任には大きな違いがあります。
ここでは連帯保証人と保証人の主な相違点について4つの観点から詳しく解説します。
責任の違い
連帯保証人は主債務者と同等の責任を負うのに対し、保証人は主債務者に対して補充的な立場にあります。
連帯保証人の場合、債権者は主債務者と連帯保証人のどちらに対しても自由に請求できる権利を持っています。
一方、保証人には催告の抗弁権と検索の抗弁権があり、まず主債務者に請求するよう求めたり、主債務者の財産を先に差し押さえるよう主張したりできます。
このように連帯保証人の方が保証人よりも重い責任を負うため、安易に連帯保証人になることは避けるべきです。
返済時期の違い
連帯保証人には催告の抗弁権がないため、債権者から請求されたら直ちに返済する義務があります。
主債務者が支払えるかどうかに関わらず、債権者が連帯保証人に請求すればその時点で支払い義務が発生します。
一方、保証人は催告の抗弁権を行使することで、まず主債務者に請求するよう債権者に求めることができます。
したがって保証人の方が実際に返済を求められるまでの時間的猶予がある点で有利と言えます。
返済額の違い
連帯保証人は債務の全額について責任を負うため、主債務者が一切返済していなくても全額請求される可能性があります。
連帯保証人が複数いる場合でも、各連帯保証人は債務全額について責任を負い、債権者はそのうちの誰に対しても全額を請求できます。
保証人の場合も原則として全額の責任を負いますが、分別の利益により複数の保証人がいる場合は頭数で割った金額のみを負担すればよいとされています。
ただし連帯保証人にはこの分別の利益がないため、複数いても各人が全額の責任を負うことになります。
差し押さえの拒否
保証人には検索の抗弁権があるため、主債務者に弁済する資力があり執行が容易であることを証明すれば、自分の財産に対する差し押さえを拒否できます。
つまり、保証人は主債務者の財産を先に差し押さえるよう債権者に求めることができるのです。
一方、連帯保証人にはこの検索の抗弁権がないため、主債務者に資力があったとしても債権者から請求されれば応じなければなりません。
このように連帯保証人は主債務者と全く同じ立場で債務を負担するため、保証人よりも圧倒的に重い責任を負うことになります。
自己破産と連帯保証人についてよくある質問

自己破産と連帯保証人に関しては、多くの方が疑問や不安を抱えています。
ここではよくある質問とその回答をまとめました。
連帯保証人が死亡したらどうなる?
連帯保証人が死亡した場合、その保証債務は相続人に引き継がれます。
相続人とは配偶者、子、父母などです。
相続人は被相続人の財産だけでなく負債も相続するため、連帯保証債務も相続の対象となるのです。
ただし相続人は相続放棄や限定承認といった手続きを取ることで、保証債務を引き継がないことも可能です。
相続放棄は相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があり、この手続きにより一切の相続財産と負債を引き継がないことになります。
限定承認は相続した財産の範囲内でのみ負債を引き継ぐ方法で、財産より負債が多い場合に有効です。
自己破産以外の方法はある?
自己破産以外にも任意整理や個人再生といった債務整理の方法があります。
任意整理は弁護士が債権者と交渉し、利息のカットや返済期間の延長を実現する方法で、比較的手続きが簡便です。
個人再生は裁判所を通じて債務を大幅に減額し、原則3年間で分割返済する方法で、住宅を維持できる可能性があります。
どの方法が最適かは借金の総額、収入状況、財産の有無などによって異なるため、専門家と相談しながら決定することが重要です。
自己破産すると連帯保証人になれない?
自己破産をした人でも法律上は連帯保証人になることは可能ですが、実際には債権者が認めないケースがほとんどです。
連帯保証人は主債務者が返済できなくなった場合に代わりに返済する責任を負うため、債権者は連帯保証人に十分な資力と信用があることを求めます。
自己破産をすると信用情報機関に事故情報が登録され、5年から10年程度は新規の借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。
破産歴のある人を連帯保証人として認める金融機関はほとんど存在しないため、事実上連帯保証人になれないと考えた方が現実的です。
連帯保証人は自己破産できない?
連帯保証人であっても支払い不能の状態にあれば自己破産することは法律上可能です。
連帯保証人だからという理由で自己破産が制限されることはなく、一般の債務者と同様に破産手続きを申し立てる権利があります。
実際に主債務者の自己破産により高額な債務を負担することになった連帯保証人が、その返済に行き詰まり自己破産するケースは珍しくありません。
ただし自己破産をすると一定以上の財産は処分の対象となり、信用情報にも傷がつくため、他の債務整理の方法も含めて慎重に検討する必要があります。
まとめ:自己破産は連帯保証人まで破産させるかも

自己破産は借金問題を解決する有効な手段です。
しかし、主債務者が自己破産すると、連帯保証人には残債務の全額が一括で請求され、場合によっては連帯保証人まで自己破産に追い込まれるリスクがあります。
連帯保証人と保証人では法律上の責任が大きく異なり、連帯保証人は主債務者と同等の重い責任を負うため、安易に連帯保証人になることは避けるべきです。
自己破産を検討する際には、必ず事前に連帯保証人に相談し、連帯保証人がついた借金を優先的に返済しないことや、自己破産以外の債務整理の方法も検討することが重要です。
連帯保証人に請求が来た場合には、一括返済、分割払いの交渉、債務整理といった対処方法があり、状況に応じて適切な選択をする必要があります。
連帯保証人に迷惑を掛けない方法は…?
自己破産を検討している方は、まず専門家に相談することが最も重要です。
弁護士や司法書士などの専門家は、あなたの状況を詳しく分析し、連帯保証人への影響を最小限に抑える最適な解決策を提案してくれます。
任意整理であれば連帯保証人がついた借金を除外して手続きを進められる可能性があり、連帯保証人への請求を回避できます。
また持ち家がある場合は任意売却を行うことで債務を圧縮し、連帯保証人の負担を軽減することも検討すべきです。
自己破産は最終手段として考え、まずは連帯保証人に迷惑をかけない方法がないか専門家と一緒に探ることをおすすめします。
無料相談を受けている法律事務所は多いので、お気軽に相談することも可能です。

法律事務所FORWARD 代表弁護士
監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)
弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

