個人の民事再生は「個人再生」!デメリットとやってはいけないことを徹底解説

債務整理
個人の民事再生は「個人再生」!デメリットとやってはいけないことを徹底解説

借金の返済に困ったとき、個人再生という制度を耳にしたことがあるかもしれません。

個人再生は正式には「個人民事再生」と呼ばれ、裁判所を通じて借金を大幅に減額できる法的な手続きです。

自己破産とは異なり、マイホームを手放さずに借金問題を解決できる可能性があります。

ただし、個人再生にはデメリットも存在し、手続き中にやってはいけないことを守らなければ、制度の利用自体が認められなくなる恐れがあります。

本記事では、個人民事再生の仕組みやメリット・デメリット、そして絶対にやってはいけないことについて詳しく解説します。

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個人再生(民事再生)とは?

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個人再生は、裁判所に申立てを行い、借金を大幅に減額してもらう法的な債務整理手続きです。

減額された借金を原則3年(最長5年)で分割返済することで、残りの債務が免除される仕組みになっています。

民事再生を個人でも利用しやすくしたもの

もともと民事再生は、経営が苦しくなった企業が事業を継続しながら債務を整理するための制度でした。

しかし企業向けの民事再生は手続きが複雑で、個人が利用するにはハードルが高かったのです。

そこで2001年4月に民事再生法が改正され、個人が利用しやすい「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という特則が新設されました。

これにより、サラリーマンや個人事業主でも、比較的簡易な手続きで債務整理ができるようになったのです。

個人民事再生は、個人の経済的再生を図るために作られた制度と言えます。

任意整理と個人再生の違い

任意整理と個人再生における最大の違いは、借金の減額幅です。

任意整理は、債権者と直接交渉して利息をカットし、元金を分割返済する私的な債務整理です。

一方、個人再生は裁判所を通じた法的手続きであり、元金自体を大幅に減額できる点が異なります。

任意整理では元金は減りませんが、個人再生では借金総額の5分の1程度まで減額される可能性があります。

ただし任意整理は裁判所を通さないため、手続きが簡便で費用も抑えられるメリットがあります。

自己破産と個人再生の違い

自己破産と個人再生の違いは、借金が完全にゼロになるかどうかです。

自己破産は、裁判所に申立てて全ての借金をゼロにする手続きです。

個人再生と同様に裁判所を通じた法的手続きですが、借金がすべて免除される点で大きく異なります。

ただし自己破産では、原則として20万円以上の価値がある財産は処分されてしまいます。

個人再生なら住宅ローン特則を使えば、マイホームを手放さずに借金を減額できるのです。

また自己破産には職業制限があり、手続き中は弁護士や警備員など一部の職業に就けなくなります。

個人再生(民事再生)の種類2つ

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個人民事再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2つの手続きがあります。

それぞれの手続きには特徴があり、利用できる条件も異なります。

小規模個人再生

小規模個人再生は、個人事業主や自営業者が主に利用する手続きです。継続的な収入があれば、サラリーマンでも利用できます。

最低弁済額は、借金総額によって決まり、100万円未満なら全額、100万円以上500万円未満なら100万円が基準となります。

債権者の過半数の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額が総債権額の2分の1を超えていなければ、再生計画が認可されます。

給与所得者等再生よりも返済額が少なくなるケースが多いため、債権者の同意が得られる見込みがあれば、小規模個人再生を選ぶのが一般的です。

給与所得者再生

給与所得者等再生は、サラリーマンなど定期的な給与収入がある人が利用できる手続きです。

小規模個人再生と異なり、債権者の同意が不要という特徴があります。

債権者が再生計画に反対する可能性が高い場合は、給与所得者等再生を選択するケースもあります。

ただし返済額が小規模個人再生よりも高くなる傾向があります。

個人再生(民事再生)のメリット

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個人再生には、借金を大幅に減額できることをはじめ、さまざまなメリットがあります。

ここでは、個人再生の主なメリットを4つ紹介します。

借金の元金を減らせる

個人再生の最大のメリットは、借金の元金を大幅に減額できることです。

日本弁護士連合会の公表データによれば、個人再生では借金が約8割減額されるケースが多いとされています。

例えば500万円の借金があった場合、最低弁済額は100万円となり、400万円もの減額が可能になります。

減額された借金を3年から5年かけて分割返済すれば、残りの債務は免除されます。

任意整理では利息のカットが中心ですが、個人再生なら元金自体を減らせるため、返済負担が大きく軽減されるのです。

住宅ローン特則により持ち家を残せる

個人再生には「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」という制度があります。

この特則を利用すれば、住宅ローンは従来通り返済しながら、他の借金だけを減額できます。

自己破産では原則として自宅を手放さなければなりませんが、個人再生ならマイホームを守れるのです。

家族と一緒に住んでいる場合や、子どもの学校区を変えたくない場合に特に有効な選択肢となります。

職業制限がない

自己破産では、手続き中に弁護士や司法書士、警備員、保険外交員などの職業に就くことが制限されます。

一方、個人再生には職業制限が一切ありません

現在の仕事を続けながら、債務整理を進めることができるのです。

資格を活かした仕事をしている人や、職業柄自己破産を避けたい人にとって、個人再生は有力な選択肢となります。

収入を維持できるため、再生計画に基づく返済も確実に行えます。

ギャンブルが理由の借金でも利用できる

自己破産では、ギャンブルや浪費が原因の借金は「免責不許可事由」に該当し、原則として免責されません。

しかし、個人再生では借金の理由は問われないのです。

パチンコや競馬などのギャンブル、過度なショッピングによる借金でも、個人再生を利用できます。

借金の原因にかかわらず、継続的な収入があり、返済の見込みがあれば手続きが可能です。

自己破産が難しいケースでも、個人再生なら債務整理ができる可能性があります。

個人再生(民事再生)のデメリット

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個人再生にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

ここでは、個人再生の主なデメリットを3つ解説します。

安定収入がないと利用できない

個人再生を利用するには、将来にわたって継続的または反復的な収入が見込める必要があります。

減額された借金を3年から5年かけて返済しなければならないからです。

無職の人や収入が不安定な人は、個人再生を利用できません。

アルバイトやパート、年金受給者でも、安定した収入があれば利用可能です。

ただし収入額が少なすぎる場合は、返済計画が実行できないとして、裁判所に認可されない可能性があります。

金融ブラック入りする

個人再生を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されます。

いわゆる「ブラックリスト」に載る状態となり、約5年から10年間はクレジットカードの新規作成やローンの借入れが難しくなります。

株式会社日本信用情報機構(JICC)によれば、個人再生の情報は最長で5年間登録されるとされています。

住宅ローンや自動車ローンを組むことも困難になるため、大きな買い物をする予定がある場合は注意が必要です。

ただし信用情報は一定期間経過後に削除されるため、永久的な影響ではありません。

官報に掲載される

個人再生の手続きを行うと、政府が発行する「官報」に氏名や住所が掲載されます。

官報は誰でも閲覧できる公的な情報誌です。

掲載されるタイミングは、手続き開始決定時、書面決議または意見聴取時、再生計画認可決定時の合計3回です。

一般の人が官報を定期的にチェックすることはほとんどありませんが、完全に秘密にはできません。

金融機関や信用調査会社は官報をチェックしているため、ブラックリスト入りする一因にもなっています。

住宅ローン特則を活用するための条件

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個人再生でマイホームを残すには、住宅ローン特則を適用する必要があります。

ここでは、住宅ローン特則を活用するための主な条件を3つ紹介します。

住宅ローンとしての借入れであること

住宅ローン特則が適用されるのは、住宅の建設や購入のための借入れに限られます

不動産投資用の物件や、事業用の建物を購入するためのローンは対象外です。

また住宅ローンには抵当権が設定されている必要があります。

抵当権が設定されていないフリーローンで住宅を購入した場合は、住宅ローン特則を利用できません。

住宅にローン以外の抵当権がないこと

住宅ローン特則を利用するには、住宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないことが条件です。

例えば消費者金融などから借入れをして、その担保として自宅に抵当権を設定している場合は対象外となります。

住宅ローン以外の債権者が抵当権を持っていると、住宅ローン特則は適用できないのです。

ただし住宅ローンの保証会社による抵当権は例外的に認められます。

また税金の滞納による差押えがある場合も、住宅ローン特則の利用に影響する可能性があります。

居住用の建物であること

住宅ローン特則が適用されるのは、債務者本人が居住している建物に限られます。

別荘やセカンドハウス、賃貸用の投資物件は対象外です。

店舗兼住宅の場合は、建物の床面積の2分の1以上が居住用であれば、住宅ローン特則を利用できます。

また単身赴任などで一時的に住んでいない場合でも、将来的に居住する予定があれば認められるケースがあります。

ただし長期間住んでいない場合や、他人に賃貸している場合は、居住用とは認められない可能性が高くなります。

個人再生(民事再生)の費用について

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個人再生を行うには、裁判所に納める費用と弁護士に支払う費用が必要です。

一般的な費用の目安を、以下の表にまとめました。

費用項目金額の目安
裁判所への申立手数料1万円
予納郵券(切手代)3,000円~5,000円
官報掲載費用1万3,000円程度
個人再生委員への報酬(選任された場合)15万円~25万円
弁護士費用(着手金+報酬金)30万円~60万円
合計50万円~100万円程度

裁判所に納める費用は比較的固定されていますが、弁護士費用は事務所によって大きく異なります。

また個人再生委員が選任されるかどうかは裁判所の判断によります。

東京地方裁判所では原則として個人再生委員が選任されますが、他の裁判所では選任されないケースもあります。

多くの法律事務所では、費用の分割払いに対応しているため、一括で支払えなくても相談可能です。

無料相談を実施している事務所もあるため、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。

個人再生(民事再生)の流れ

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個人再生の手続きは、申立てから再生計画の認可まで約6ヶ月から1年程度かかります。

ここでは、個人再生の一般的な流れを4つの段階に分けて解説します。

弁護士への相談と受任通知の送付

まずは弁護士に相談し、個人再生が自分に適しているか判断してもらいます。

弁護士に依頼すると、すぐに各債権者に「受任通知」が送付されます。受任通知が届いた時点で、債権者からの取立てや督促が止まります。

この段階で、借金の返済も一時的にストップし、弁護士費用や申立費用を準備する期間となります。

弁護士は債権者から取引履歴を取り寄せ、正確な借金額を確定させます。

必要書類の収集と申立書の作成

個人再生の申立てには、多くの書類が必要です。

主な書類には、住民票、給与明細、源泉徴収票、預金通帳のコピー、資産目録などがあります。

弁護士の指示に従って、これらの書類を収集し提出します。

弁護士は収集した情報をもとに、申立書や再生計画案を作成します。

書類の準備には通常2ヶ月から3ヶ月程度かかります。

裁判所への申立てと個人再生手続きの開始

申立書類が整ったら、住所地を管轄する地方裁判所に個人再生を申立てます。

裁判所は書類を審査し、問題がなければ「個人再生手続開始決定」を出します。

この決定が出ると、官報に公告され、債権者に通知されます。

裁判所によっては、個人再生委員が選任され、債務者の財産状況や返済能力を調査します。

個人再生委員との面談が行われるケースもあります。

再生計画案の提出と認可決定

手続開始決定後、債権者は債権額を届け出ます。

債務者は確定した債権額をもとに、再生計画案を作成し裁判所に提出します。

小規模個人再生の場合は、債権者による書面決議が行われます。

給与所得者等再生の場合は、債権者の意見聴取のみで決議は行われません。

裁判所が再生計画案を審査し、問題がなければ「再生計画認可決定」が出されます。

認可決定が確定すると、計画に従って返済を開始します。

個人再生でやってはいけないことは?

注意

個人再生の手続き中には、絶対に避けるべき行為がいくつかあります。

ここでは、個人再生でやってはいけないことを5つ紹介します。

申立前の財産処分

個人再生の申立て前に、財産を不当に安く売却したり、他人に譲渡したりしてはいけません。

財産を隠す目的で処分すると、「財産隠し」とみなされ、個人再生が認められなくなります

裁判所は、申立て時点での財産状況をもとに、最低弁済額を算定します。

車や不動産などの高額な財産を売却する場合は、必ず弁護士に相談してください。

偏頗弁済(特定の債権者への優先返済)

偏頗弁済とは、特定の債権者にだけ優先的に返済することです。

個人再生では、全ての債権者を平等に扱う必要があります。

例えば親族や友人からの借金だけを返済したり、保証人に迷惑をかけたくないからと特定の債務だけを返済したりすることは認められません。

偏頗弁済を行うと、その金額が最低弁済額に上乗せされたり、手続き自体が認められなくなったりします。

受任通知が送付された後は、いかなる債権者にも返済してはいけません。

新たな借入

個人再生の手続き中に、新たに借金をすることは絶対に避けるべきです。

弁護士に依頼した後や申立て後に借入れを行うと、返済の意思がないとみなされます。

再生計画が認可されなかったり、認可後でも取り消されたりする可能性があります。

クレジットカードの利用や、知人からの借入れも含めて、一切の借入れを控えてください。

どうしても生活費が足りない場合は、弁護士に相談して適切な方法を検討しましょう。

虚偽申告

申立書や財産目録に虚偽の内容を記載することは、絶対にやってはいけません。

借金額を少なく申告したり、財産を隠したりすると、認可を取り消される可能性があります。

裁判所は提出された書類を厳しく審査し、必要に応じて追加資料の提出を求めます。

虚偽が発覚すれば、個人再生は不認可となり、信用も失います。

正直に全ての情報を開示することが、手続きを成功させる大前提です。

再生計画の履行懈怠

再生計画が認可された後は、計画通りに返済を続けなければなりません。

返済を怠ったり、遅延したりすると、再生計画が取り消される恐れがあります。

再生計画が取り消されると、減額された借金が元の金額に戻ってしまいます。

病気や失業など、やむを得ない事情で返済が困難になった場合は、すぐに弁護士に相談してください。

返済期間の延長やハードシップ免責などの救済措置を検討できる場合があります。

まとめ:個人再生は借金を約80%減らせる可能性がある

ワンポイント

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額できる法的な債務整理手続きです。

借金総額の約5分の1まで減額される可能性があり、最大で約80%の減額が実現できます。

住宅ローン特則を活用すれば、マイホームを手放さずに借金問題を解決できる点が大きな魅力です。

これらの禁止事項を守らなければ、手続きが認められず、借金問題の解決が遠のいてしまいます。

個人再生を検討している方は、まず弁護士に相談し、自分の状況に最適な債務整理方法を選択してください。

専門家のサポートを受けながら、確実に手続きを進めることが、借金からの再スタートへの第一歩となります。

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フォワード法律事務所 保坂 康介

法律事務所FORWARD 代表弁護士

監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)

弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

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