ひととき融資をご存知でしょうか。
TwitterなどのSNSで「#個人間融資」「#ひととき融資」といったハッシュタグとともに募集されている、悪質な個人間融資のひとつです。
性的関係を条件にお金を貸し付ける行為であり、もちろん危険な存在です。
ひととき融資には2つのパターンがあります。
- 動画や画像を要求して脅す一般人
- 個人間融資を装ったヤミ金業者
一時的にお金を借りられたとしても、法外な金利を要求されたり、画像や個人情報をさらされたりといった深刻な被害に遭う危険性があります。
本記事では、ひととき融資の危険性、手口、問われる犯罪、被害に遭った際の対処法について詳しく解説します。
借りパクは実質不可能であり、絶対に利用してはいけない理由を理解していただけます。
目次
ひととき融資を絶対に受けてはならない理由

ひととき融資は絶対に利用してはいけません。
表面的には個人間の貸し借りに見えますが、実態は違法なヤミ金業者が運営している悪質な融資だからです。
借金問題を解決するどころか、さらに大きなトラブルを抱え込むことになるのです。
悪質な個人間融資だから(実質ヤミ金)
ひととき融資は個人間融資の一種ですが、実態はヤミ金業者が運営している違法な融資です。
貸金業の登録を受けずに反復継続して融資を行っているため、貸金業法に違反しています。
個人を装っていても、その背後には組織的なヤミ金業者が存在しているケースがほとんどです。
正規の金融機関であれば、利息制限法に基づいた金利でしか貸し付けを行いません。
性的関係を条件とする点で、通常のヤミ金よりも悪質性が高いといえます。
個人情報をさらされるから
ひととき融資を利用すると、個人情報を相手に握られてしまいます。
融資を受ける際に、住所、氏名、電話番号、口座情報、家族の連絡先などの個人情報を要求されるからです。
さらに、顔写真付きの身分証明書や免許証を顔に添えた自撮り写真の提出も求められます。
返済が滞ったり、相手の要求を断ったりすると、個人情報をインターネット上にさらすと脅されます。
実際に、SNSや掲示板に氏名、住所、電話番号、顔写真などを晒される被害が報告されています。
一度インターネット上に情報が拡散されると、完全に削除することは困難です。
高額な金利を要求されるから
ひととき融資では、法外な金利を要求されるケースが多発しています。
法律(利息制限法)では、年15%から20%の上限金利が定められています。
しかし、ひととき融資では法律は関係ありません。たとえば、3万円を借りて1週間後に4万円の返済を請求されることもあります。
性的関係に応じたにもかかわらず、高額な利息を請求される点が大きな問題です。
ひととき融資の手口|借りパクは実質不可能

ひととき融資の手口は巧妙であり、借りパクは実質的に不可能です。
貸す側は、融資を行う前に個人情報や画像を担保として送らせるため、借りたお金を返さずに逃げることができません。
Twitter(X)などのSNSでお金を借りたい女性を募集
ひととき融資は、TwitterなどのSNSを通じて募集が行われています。
「#個人間融資」「#ひととき融資」「#お金貸します」といったハッシュタグを使って、融資希望者を募集します。
貸す側は「ブラックOK」「即日融資」「審査なし」などの言葉で、金融機関から借りられない女性を狙っています。
一方で、お金に困った女性側が「#お金に困っています」「#お金貸してください」と投稿するケースもあります。
SNSを利用するため、一度も直接会うことなく取引が完了することもあります。
性的関係と引き換えに融資する
ひととき融資の最大の特徴は、性的関係を条件にお金を貸し付ける点です。
- 融資を受ける前に性的関係を要求されるケース
- 返済の代わりに性的関係を求められるケース
貸す側は、女性が経済的に困窮している状況を利用して、性的関係を強要します。
女性側は、お金が必要で藁をもすがる思いでアクセスしたため、断りにくい状況に追い込まれます。
性的関係に応じたにもかかわらず、融資額が極端に少なかったり、融資自体が行われなかったりする詐欺被害も報告されています。
さらに、性的関係を持つ際に画像や動画を撮影され、脅迫の材料にされる危険性があります。
高額な金利・保証金を要求する
ひととき融資では、性的関係に加えて高額な金利や保証金を要求されます。
3万円を融資して、1か月後に5万円の返済を求められるケースもあります。
さらに、融資を受ける前に保証金や手数料の名目で金銭を要求される詐欺被害も報告されています。
保証金を支払ったにもかかわらず、融資が実行されないまま連絡が途絶えることもあります。
返済期限の延長を条件に、追加で金銭や性的関係を要求される被害も相次いでいます。
利息だけでなく、様々な名目で金銭を搾り取られる仕組みになっています。
借りパクされそうになったら画像や個人情報をさらす
ひととき融資で借りパクをしようとすると、画像や個人情報をさらすと脅されます。
貸す側は、借りパクを防ぐために徹底的に個人情報を収集しており、逃げることは実質的に不可能です。
融資を受ける際に、顔写真付きの身分証明書、免許証と一緒に撮った自撮り写真、裸の画像などを要求されるからです。
性的関係を持つ際に撮影された動画や画像も、脅迫の材料として使われます。
返済しなかった場合、個人情報や画像をSNSや掲示板にさらすと脅迫されます。
実際に、氏名、住所、電話番号、顔写真、裸の画像などがインターネット上に晒される被害が発生しています。
ひととき融資で貸している側が問われる罪

ひととき融資で貸している側は、複数の犯罪に問われる可能性があります。
貸金業法違反、出資法違反
ひととき融資を反復継続して行うと、貸金業法違反に問われます。
貸金業を営むには、財務局や都道府県の登録を受ける必要があります。
無登録で貸金業を営んだ場合、10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
さらに、法外な金利を設定した場合は出資法違反にも該当します。
年109.5%を超える金利で契約した場合、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
個人間融資であっても、上限金利を超えれば刑罰の対象となります。
脅迫罪、暴行罪
ひととき融資では、返済を迫る際に脅迫や暴行が行われることがあります。
個人情報や裸の画像をインターネット上にさらすと脅した場合、脅迫罪に該当します。
脅迫罪の刑罰は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。
性的関係を拒否した相手に対して暴行を加えた場合、暴行罪が成立します。
暴行罪の刑罰は、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です。
金銭の要求を断られた際に、家族や職場に嫌がらせをする行為も脅迫罪に該当します。
リベンジポルノ防止法違反
性的な画像や動画をインターネット上に公開した場合、リベンジポルノ防止法違反に問われます。
正式には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」といいます。
性的な画像や動画を不特定多数に公開した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
公開目的で画像や動画を第三者に提供した場合も、同様に処罰されます。
ひととき融資では、性的関係を持つ際に撮影した画像や動画を公開すると脅すケースが多発しています。
実際に公開した場合はもちろん、公開すると脅した時点で脅迫罪が成立します。
不同意わいせつ罪
相手の同意を得ずにわいせつ行為を行った場合、不同意わいせつ罪に問われます。
経済的・社会的地位に基づく影響力で不利益を恐れ、抵抗できなかった場合も該当します。
ひととき融資では、女性が経済的に困窮している状況を利用してわいせつ行為を強要しています。
不同意わいせつ罪の刑罰は、6か月以上10年以下の拘禁刑です。
相手が13歳未満の場合、または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長の場合も、不同意わいせつ罪が成立します。
性的関係に同意したように見えても、経済的な弱みにつけ込んだ場合は犯罪となります。
売春法違反、淫行勧誘罪
性的関係を条件に金銭を提供する行為は、売春防止法違反に該当する可能性があります。
売春防止法では、売春の勧誘や斡旋を禁止しています。
ひととき融資で性的関係を条件に融資を申し出る行為は、売春の勧誘に該当すると考えられます。
売春勧誘罪の刑罰は、6月以下の懲役または1万円以下の罰金です。
さらに、青少年保護育成条例違反として淫行勧誘罪に問われる可能性もあります。
18歳未満の青少年に対して性的関係を持った場合、各都道府県の条例で処罰されます。
児童買春禁止法違反
ひととき融資の相手が18歳未満の場合、児童買春禁止法違反に問われます。
正式には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」といいます。
児童買春とは、18歳未満の者に対して金銭や物品を提供して性的関係を持つ行為です。
児童買春の刑罰は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
ひととき融資では、経済的に困窮している学生がターゲットにされるケースが多発しています。
相手が18歳未満であると知らなかった場合でも、処罰される可能性があります。
ひととき融資を利用する際の危険

ひととき融資を利用すると、様々な危険に晒されます。
金銭的な問題だけでなく、身体的、精神的な被害を受ける可能性が非常に高いです。
一度関わってしまうと、要求がエスカレートし、抜け出すことが困難になります。
性的な関係を強要される
ひととき融資では、性的な関係を強要されます。
経済的に困窮している状況を利用して、拒否できない状況に追い込まれます。
性的関係に応じても、約束した金額が振り込まれないこともあります。さらに、避妊されなかったり、暴行を受けたりする被害も報告されています。
性感染症のリスクや、望まない妊娠の危険性もあります。
画像、動画の撮影を求められる
ひととき融資では、性的な画像や動画の撮影を求められます。
融資を受ける前に、裸の画像をメールやLINEで送るよう要求されることがあります。
性的関係を持つ際に、動画や画像を撮影されるケースも多発しています。
撮影された画像や動画は、返済を迫る際の脅迫材料として使われます。
返済が滞ると、インターネット上に画像や動画をさらすと脅されます。
一度撮影された画像や動画を完全に削除することは困難です。
要求がエスカレートする
ひととき融資では、要求がエスカレートしていきます。
最初は少額の融資と性的関係だけだったものが、次第に追加で金銭や性的関係を要求されます。
完済したにもかかわらず、性的関係時の動画や画像をさらすと脅され、金銭を要求されるケースもあります。
交際を要求されて、つきまといやストーカー行為に発展する被害も報告されています。
一度応じてしまうと、相手の要求は際限なくエスカレートしていきます。
犯罪の加害者にされる
ひととき融資を利用すると、犯罪の加害者にされる危険性があります。
口座の売却やスマホの代理契約を要求され、詐欺や犯罪に利用されるケースがあります。
口座を貸した場合、特殊詐欺の受け子として犯罪に加担したとみなされる可能性があります。
携帯電話を提供した場合も、犯罪に利用されて加害者として扱われるリスクがあります。
個人情報を他のヤミ金業者に流され、さらに多くの業者から融資の勧誘を受けることもあります。
知らないうちに犯罪に巻き込まれ、法的な責任を問われる可能性があります。
法外な金利の返済を迫られる
ひととき融資では、法外な金利の返済を迫られます。
年109.5%を大きく超える金利を設定され、返済額が雪だるま式に増えていきます。
たとえば、2万8000円を借りて1週間後に4万円の返済を請求されるケースがあります。
返済が遅れると、遅延損害金の名目でさらに金額が上乗せされます。
性的関係に応じたにもかかわらず、高額な利息を請求される点が大きな問題です。
返済できない場合、さらに性的関係を要求されたり、個人情報をさらすと脅されたりします。
ひととき融資で被害に遭った時の対処法

ひととき融資で被害に遭った場合、一人で抱え込まずに専門家に相談することが重要です。
警察や弁護士に相談することで、適切な対処法を見つけることができます。
被害を最小限に抑え、二次被害を防ぐためにも、早急な対応が必要です。
警察に相談
ひととき融資で被害に遭った場合、まず警察に相談してください。(#9110)
専門の相談員が借金問題や性的被害について聞き、適切な相談先を紹介してくれます。
緊急性が高い場合は「110番」に連絡してください。
脅迫や暴行、ストーカー行為などの被害を受けている場合、警察に被害届を提出できます。
ひととき融資は複数の犯罪に該当するため、警察による捜査が期待できます。
弁護士を通じて損害賠償訴訟を起こす
ひととき融資で被害に遭った場合、弁護士を通じて損害賠償訴訟を起こすことができます。
ひととき融資の契約は、公序良俗に反する契約として無効になる可能性があります。
契約が無効と認められれば、返済義務はなくなります。
さらに、精神的苦痛を受けた場合、慰謝料を請求することも可能です。
弁護士は、相手との交渉や法的手続きを代行してくれます。
まとめ:ひととき融資の先には悪質なヤミ金が存在する

ひととき融資は、個人間融資を装った悪質なヤミ金業者による犯罪行為です。
TwitterなどのSNSで募集され、性的関係を条件にお金を貸し付けますが、実態は法外な金利を要求する違法な融資です。
借りパクは実質的に不可能であり、個人情報や画像をさらされる危険性が非常に高いです。
どれだけお金に困っていても、ひととき融資は絶対に利用してはいけません。
もし被害に遭った場合は、警察に相談したり、弁護士を通じて損害賠償訴訟を起こしたりすることが重要です。
借金問題を解決したい場合は、弁護士や司法書士に相談して、債務整理を検討してください。
ひととき融資に手を出すよりも、安全で確実な手段です。

法律事務所FORWARD 代表弁護士
監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)
弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

