「官報に載ると周りにバレるって本当?」
個人再生を検討している方の中には、と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、官報に掲載されても大きなデメリットはありません。
周囲の人に個人再生の事実が知られる可能性は極めて低いからです。一般の方が官報を日常的に目にする機会はまずありません。
官報は政府が発行する機関紙であり、法律や政令などの公布、裁判所の公告などが掲載されます。
しかし、読者層は弁護士や税理士、金融機関の担当者など専門職に限られます。
つまり、家族や職場の同僚が偶然官報を見て、あなたの個人再生に気づく確率は限りなく低いのです。
目次
個人再生の官報掲載は過度に心配する必要はない【バレにくい】

ほとんどの人にとって見る機会がないから
官報は一般の人にとって馴染みの薄い媒体です。
新聞のように駅やコンビニで気軽に購入できるものではなく、政府刊行物取扱店でしか入手できないからです。
また、官報を定期購読している一般家庭はほぼ皆無といえます。
インターネット版官報も存在しますが、わざわざアクセスして閲覧する人は専門職に限られています。
1日に全国で100件以上の債務整理情報が掲載されるため、特定の個人を見つけるのは至難の業といえます。
無料版では名前検索ができないから
官報に掲載された情報を名前で検索したいと考える方もいるかもしれません。
しかし、2025年4月の法改正により、無料で利用できるインターネット版官報では個人再生や自己破産などの情報を名前で検索できなくなりました。
プライバシー配慮が必要な記事として検索対象から除外されたからです。
有料の官報情報検索サービスでも同様に、破産や個人再生に関する情報は名前検索の対象外となっています。
知人があなたの名前で検索しようとしても、通常の方法では情報にたどり着けません。
無料版官報の閲覧は過去90日までだから
無料で閲覧できるインターネット版官報は、直近90日分のみが公開されています。
2023年1月27日の改定以前は30日分でしたが、現在は90日分に延長されました。それでも、90日を過ぎた情報は無料では閲覧できなくなります。
過去の官報を見るには有料の官報情報検索サービスに登録する必要がありますが、一般人が高額な費用を払って登録することはまずありません。
個人再生の手続きが終わって数ヶ月経てば、無料で閲覧できる範囲から情報が消えます。
長期的に見ても、官報掲載による周囲へのバレリスクは極めて限定的です。
官報とは?

官報は国が発行する公的な機関紙であり、法令や政府の重要な情報を国民に知らせる役割を担っています。
行政機関の休日を除く毎日発行されており、紙媒体とインターネット版の両方で公開されています。
「政府が発行する機関誌」のこと
官報は政府が発行する唯一の公式な機関紙です。
- 法律や政令
- 条約の公布
- 国会事項
- 官庁報告
- 叙位・叙勲
などが主に掲載されます。
裁判所による公告も官報に掲載され、個人再生や自己破産の情報もここに含まれます。
官報に掲載されることで、法的に公示されたことになり、知らなかったという言い訳が通用しなくなります。
個人再生では、申立人が把握していない債権者にも手続きに参加する機会を与える必要があるため、官報への掲載が義務付けられています。
官報に掲載される個人再生の情報
官報に掲載される個人再生の情報は限定的です。
借金の理由や金額、債権者名などの詳細情報は掲載されません。生年月日や年齢も官報には載りません。
- 再生債務者の住所と氏名
- 事件番号、決定年月日時
- 決定の主文
- 再生債権の届出期間
- 一般異議申述期間、管轄裁判所 など
掲載される情報だけでは、同姓同名の別人と区別がつかない可能性もあります。
プライバシーに配慮した最小限の情報のみが公開される仕組みになっています。
官報情報検索サービスではあらゆる閲覧可能
無料のインターネット版官報とは別に、有料の官報情報検索サービスが存在します。
官報情報検索サービスは会員制の有料サービスで、昭和22年5月3日以降のすべて官報を検索・閲覧できます。
日付指定やキーワード検索が可能で、過去の官報にもアクセスできます。
ただし、2025年4月の法改正により、個人再生や自己破産などプライバシー配慮が必要な記事は検索対象から除外されました。
金融機関や信用情報機関など、業務上必要な専門機関が主な利用者です。
一般の方が個人の情報を調べる目的で利用することは、事実上困難になっています。
個人再生をして官報に載るタイミングは3~4回

個人再生の手続きを進めると、官報に複数回掲載されます。通常は3回、場合によっては4回掲載されるのが一般的です。
各段階での掲載内容や目的を理解しておけば、手続きの流れを把握しやすくなります。
個人再生手続きの裁判を開始した:1回目
1回目の官報掲載は、再生手続開始決定が出たときです。
掲載時期の目安は、個人再生の申立てから約1ヶ月後となります。
掲載内容には、決定年月日、主文、再生債権の届出期間、一般異議申述期間、管轄裁判所などが含まれます。
掲載の目的は、個人再生手続きが開始されたことを債権者に知らせ、債権届出を促すためです。
債権者一覧表に記載されていない債権者にも、手続きへの参加機会を与える重要な役割を果たします。
書面決議:2回目
2回目の官報掲載は、再生計画案の書面決議または意見聴取のタイミングです。
掲載時期の目安は、個人再生の申立てから約3~4ヶ月後となります。小規模個人再生の場合、債権者に再生計画案への賛否を問う書面決議の機会が設けられます。
給与所得者等再生の場合は、債権者の同意は不要ですが、意見を述べる機会が与えられます。
掲載内容には、再生計画案の内容や意見提出期間などが記載されます。
認可決定:3回目
3回目の官報掲載は、裁判所が再生計画の認可決定を出したときです。
掲載時期の目安は、個人再生の申立てから約5ヶ月後となります。掲載内容には、認可決定がなされたことや決定年月日などが記載されます。
官報掲載から2週間が経過すると認可決定が確定し、再生計画に基づく返済が始まります。
認可決定の確定月の翌月から、減額された借金の返済がスタートします。
個人再生の手続き終了時:4回目
通常は3回の掲載で終了しますが、手続きが途中で終了した場合は4回目の掲載があります。
再生計画が不認可になった場合や、手続きが廃止された場合に掲載されます。
掲載内容には、手続き終了の理由や決定年月日などが記載されます。順調に手続きが進めば、通常は3回の掲載で完了です。
官報を閲覧する方法

官報を閲覧する方法は主に3つあります。
紙媒体の購入、インターネット版の閲覧、図書館での閲覧です。
紙媒体の官報を購入する
紙媒体の官報は、全国の政府刊行物取扱店で購入できます。
価格は1部32ページごとに143円(消費税込み)です。
本紙のほかに、本紙に掲載しきれない分が号外として発行されます。個人再生の情報は本紙と号外のどちらにも掲載される可能性があります。
紙版官報は発行日の午前8時30分に、国立印刷局と東京都官報販売所に掲示されます。
入手できるのは原則として発行日のみであり、バックナンバーの入手は困難です。
インターネット版官報を閲覧する
インターネット版官報は、国立印刷局のウェブサイトで無料で閲覧できます。
直近90日分の官報がPDF形式で公開されています。
平成15年7月15日以降の法律、政令等の官報情報と、平成28年4月1日以降の政府調達の官報情報も閲覧可能です。
スマートフォンやタブレットからでもアクセスできるため、手軽に閲覧できます。ただし、無料版では名前検索機能が使えず、日付を指定してPDFを開く必要があります。
90日を超えた過去の官報を見るには、有料の官報情報検索サービスへの登録が必要です。
図書館で閲覧する
国立国会図書館では、明治16年7月の創刊号から現在までの官報が永久保存されています。
規模の大きな都道府県立図書館や市立図書館でも、一定期間分の官報を保管している場合があります。
図書館での閲覧は無料で、紙媒体またはマイクロフィルムで確認できます。
国立国会図書館デジタルコレクションでは、明治16年7月から昭和27年4月までの官報がオンラインで閲覧可能です。
ただし、現行の個人再生制度は平成13年施行のため、当時の官報には個人再生情報は掲載されていません。
個人再生で官報に掲載されるデメリット

官報に掲載されることによるデメリットは確かに存在します。
しかし、デメリットの多くは限定的であり、過度に心配する必要はありません。
親族・友人・勤務先などにバレる可能性がわずかにある
官報に掲載されることで、家族や職場に個人再生の事実が知られる可能性はゼロではありません。
しかし、その確率は極めて低いといえます。一般人が官報を日常的に閲覧することはほとんどないからです。
ただ、官報を定期的にチェックしている職業の人が身近にいる場合、バレる可能性はわずかに高まります。税理士、弁護士、司法書士、金融機関の担当者などが該当します。
それでも、膨大な情報の中から特定の個人を見つけ出すのは困難です。
現実的には、官報からバレるよりも、裁判所からの郵便物や返済計画の変化から家族に気づかれるケースの方が多いといえます。
官報公告費用が1.3万円程度かかる
官報に掲載するには費用がかかります。
官報公告費用は、個人再生の申立て時に裁判所に納付する必要があります。
金額は裁判所によって異なりますが、2024年5月現在で13,744円が一般的です。東京地方裁判所の場合も同額となっています。
約1万4千円前後が目安と考えておけば問題ありません。
官報公告費用は現金で一括納付するのが原則ですが、裁判所によっては銀行振込を認めている場合もあります。
闇金業者の営業を受ける可能性がある
官報に掲載されると、闇金業者から勧誘を受けるリスクがあります。
闇金業者は官報をチェックしており、個人再生や自己破産をした人をターゲットにするからです。
掲載された住所宛にダイレクトメールが届く場合があります。
「ブラックでもOK」「審査不要」などの謳い文句で、違法な高金利の貸付を勧誘してきます。
個人再生後は信用情報に事故情報が登録されており、正規の金融機関からは借入が難しい状態です。
そこにつけ込んで、闇金業者が接触してくるのです。
絶対に闇金業者からの借入をしてはいけません。一度関わると、法外な利息を請求され、さらに深刻な状況に陥る危険性があります。
官報に載らないよう個人再生をする方法はある?

「官報に載らずに借金を解決したい」と考える方もいるでしょう。
しかし、個人再生を選択する以上、官報掲載は避けられません。
官報に載らない債務整理は「任意整理」のみ
債務整理の方法の中で、官報に載らないのは「任意整理」だけです。
任意整理は裁判所を通さない、債権者と直接交渉する手続きだからです。
将来の利息をカットし、元本のみを3年から5年かけて分割返済する方法です。財産を処分する必要がなく、職業制限もかかりません。
家族や職場に知られずに手続きを進めやすいメリットがあります。
ただし、任意整理では借金の減額幅が個人再生ほど大きくありません。返済能力が一定程度ある方に適した方法といえます。
官報に掲載された情報は削除できない
一度官報に掲載された情報は、後から削除することはできません。
官報は公的な記録であり、掲載内容の変更や消去は認められていないからです。
訂正や正誤がある場合は、新たに訂正公告が掲載されますが、元の情報が消えるわけではありません。
官報情報検索サービスでは、昭和22年以降の情報が半永久的に保存されています。
ただし、無料のインターネット版官報では90日を過ぎると閲覧できなくなります。
一般の方がアクセスしやすい無料版からは情報が消えるため、長期的な影響は限定的といえます。
個人再生と官報への掲載についてよくある質問

個人再生と官報に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
不安や疑問の解消に役立ててください。
官報に載ると家族や職場にバレる?
官報に載ったことが直接の原因で、個人再生がバレる可能性は極めて低いです。
一般の方が官報を日常的に閲覧することはほとんどないからです。
家族が定期的に官報をチェックしているケースでない限り、基本的にバレません。
勤務先についても、官報を業務上チェックしている会社でなければ知られる可能性は低いでしょう。
それよりも、裁判所からの郵便物が自宅に届くことで気づかれるケースの方が多いといえます。
官報に載った情報はいつまで見られる?
官報に掲載された情報を見られる期間は、閲覧方法によって異なります。
紙版の官報は、発行日分のみが政府刊行物取扱店で入手可能です。無料のインターネット版官報では、直近90日分が閲覧できます。
有料の官報情報検索サービスでは、昭和22年5月3日以降の官報が半永久的に検索・閲覧可能です。
ただし、2025年4月の法改正により、個人再生や自己破産などの情報は名前検索ができなくなりました。
一般の方がアクセスしやすい無料版では90日を過ぎると見られなくなるため、長期的な影響は限定的です。
インターネットで官報の名前検索はできる?
無料のインターネット版官報では、名前検索はできません。
日付を指定してPDFファイルを開き、目視で確認する必要があります。
有料の官報情報検索サービスでも、2025年4月の法改正により、個人再生や自己破産などプライバシー配慮が必要な記事は検索対象から除外されました。
以前は名前で検索することが可能でしたが、現在は個人のプライバシー保護の観点から検索できなくなっています。
GoogleやYahoo!などの一般的な検索エンジンでも、官報に掲載された個人再生の情報にアクセスすることはできません。
まとめ:官報掲載は個人再生の大きなデメリットにはなりません

個人再生をすると官報に3~4回掲載されますが、過度に心配する必要はありません。
一般の方が官報を日常的に閲覧することはほとんどなく、官報掲載が原因で周囲にバレる可能性は極めて低いからです。
官報掲載のデメリットとして、官報公告費用が約1万3千円かかることと、闇金業者から勧誘を受ける可能性があることが挙げられます。
借金問題は一人で抱え込まず、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
専門家は家族にバレない方法を熟知しているので、あきらめる必要はありません。
個人再生は生活を立て直すための有効な手段であり、官報掲載を恐れて手続きを躊躇する必要はありません。
勇気を出して専門家に相談し、借金問題の解決に向けて一歩を踏み出してください。

法律事務所FORWARD 代表弁護士
監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)
弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

