転職活動で年俸制の求人を見つけたとき、「年俸制はやめとけ」という声を耳にして不安になったことはありませんか?
結論として、成果を出せる自信がある人に適した制度です。安定性を重視する人には向いていません。
年俸制は、成果重視の企業に取り入れられているケースが多いからです。
- ITエンジニア、コンサルタント
- 医師、薬剤師、
- 金融業界の証券アナリスト
- 営業 など
年俸制と月給制のどちらが良いかは、あなたの働き方や価値観によって決まります。
本記事では、年俸制の仕組みから具体的なメリット・デメリット、月給制との比較まで詳しく解説します。
読み終わったときには、あなた自身がどちらの給与制度を選ぶべきかが明確になるでしょう。
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目次
年俸制は安定を求めたい人には向いていません。

年俸制が「やめとけ」と言われる最大の理由は、安定性に欠ける点にあります。
年俸制では年単位で給与額が決定されるため、成果を上げられなければ翌年の年俸が減額されるリスクがあります。
月給制のように毎年少しずつ昇給していく保証がないため、将来の収入が予測しにくいのです。
また、年俸制を採用する企業では固定残業代が年俸に含まれているケースが多く、実際の労働時間と報酬が見合わない可能性もあります。
安定した収入と働きやすい環境を重視する人にとって、年俸制はリスクの高い選択と言えるでしょう。
年俸制と月給制はどちらが良い?

年俸制と月給制のどちらを選ぶべきかは、あなたの働き方や価値観によって決まります。それぞれに適した人の特徴を詳しく見ていきましょう。
成果を出せる自信がある⇒年俸制
年俸制は実力主義を好む人に最適な給与制度です。
自分のスキルや成果に対して正当な評価を受けたいと考える人にとって、年俸制は魅力的な選択肢となります。
特に営業職やコンサルタント、エンジニアなど、個人の成果が明確に測定できる職種では、年俸制のメリットを最大限に活用できるでしょう。
年俸制では年功序列に関係なく、若手でも高い成果を上げれば大幅な昇給が期待できます。
従来の月給制では到達困難な年収レベルも、年俸制なら可能性があります。
また、年間の給与総額が明確に決まっているため、家計管理や将来設計を立てやすいというメリットもあります。
ただし、年俸制で成功するには継続的に高い成果を出し続ける必要があります。
自分の能力に自信があり、挑戦を楽しめる人には年俸制が向いています。
安定を求めるなら⇒月給制
安定した収入と予測可能なキャリアパスを重視する人には、月給制が適しています。
年功序列型の企業は月給制を取り入れているケースが多く、基本給が毎年少しずつ上がっていく傾向にあります。
また、年2回の賞与が期待できるため、実際の年収が年俸制よりも高くなるケースもあります。
また、月給制では残業代が別途支給されるのが一般的です。
年俸制のように固定残業代として込みになっていることが少ないため、働いた分だけ確実に報酬を得ることができます。
家庭を持つ人や安定志向の人には月給制の方が向いているでしょう。
年俸制はやめとけって本当?

「年俸制はやめとけ」という意見には一理ありますが、すべてのケースで当てはまるわけではありません。この意見が生まれる背景には、年俸制の運用方法や個人の働き方との相性の問題があります。
ブラックな運用もできるから注意
年俸制が「やめとけ」と言われる理由の一つに、企業側が制度を悪用する可能性があることが挙げられます。
例えば、年俸に大量の固定残業代を含めることで、実質的な時給を下げる手法が使われることがあります。
月80時間分の残業代を年俸に含めると謳いながら、実際には100時間以上の残業を強いるようなケースです。
さらに、成果が出ないことを理由に大幅な減給を行う企業も存在するため、注意が必要です。
これらのリスクを避けるためには、契約前に年俸の内訳や評価基準を詳しく確認することが重要です。
固定残業代の有無、賞与の支給条件、昇給・減給の基準などを必ず書面で確認しましょう。
成果を出せないならやめたほうがいい
年俸制は成果主義と密接に結びついているため、継続的に高い成果を出せない人には向いていません。
月給制では勤続年数や年齢に応じてある程度の昇給が期待できますが、年俸制では成果を出せなければ給与が据え置かれるか、場合によっては減給される可能性があります。
特に新しい業界や職種に挑戦する場合、最初から高い成果を出すのは困難です。
スキルを身につける期間中は成果が出にくく、年俸制では不利になる可能性が高いでしょう。
また、個人の成果よりもチームワークが重視される職種でも、年俸制のメリットを活かしにくいと言えます。
さらに、会社の業績が悪化した場合、月給制なら賞与カットで済むことも、年俸制では年俸自体の減額につながる可能性があります。
安定した収入を維持したい人には年俸制は適していないでしょう。
年俸制と月給制の仕組みの違い

年俸制と月給制は給与の決定方法と支払い方法が根本的に異なります。
年俸制:年間給与総額が事前に決まっている
年俸制では、年度開始前に1年間の給与総額が決定されます。
この金額は通常12等分されて毎月支給されますが、企業によっては14分割や16分割にして、余った分を賞与として支給する場合もあります。
重要なのは、年間を通じて受け取る総額があらかじめ確定していることです。
年俸の決定には前年度の業績評価が大きく影響します。
営業成績、プロジェクトの成功度、資格取得、リーダーシップの発揮など、様々な要素が総合的に評価されて次年度の年俸が決まります。
この評価プロセスは通常年1回行われ、その結果が翌年度の年俸に反映される仕組みです。
年俸にボーナスが含まれるかは会社次第
年俸制におけるボーナスの扱いは企業によって大きく異なるため、契約時に必ず確認すべき重要なポイントです。
多くの企業では年俸にボーナス相当額が含まれており、追加的な賞与支給はありません。
この場合、年俸を12で割った金額が毎月支給されます。
一方で、年俸とは別に業績連動型の賞与を支給する企業も存在します。
この場合、基本的な年俸は保証されつつ、会社や個人の業績に応じて追加的な報酬を得ることができます。
ただし、この追加賞与は業績によっては支給されない可能性もあるため、あくまで変動要素として考える必要があります。
月給制:月々の一定額+賞与を支給する
月給制では基本給に各種手当を加えた金額が毎月支給され、それに加えて年2回程度の賞与が支給されるのが一般的です。
基本給は勤続年数、年齢、職位、評価などに基づいて決定され、毎年の昇給によって段階的に上昇していきます。
この安定的な昇給システムが月給制の大きな特徴です。
賞与は通常、夏季と冬季の年2回支給され、基本給の何か月分という形で計算されます。
業績が好調な年は賞与が増額され、不調な年は減額される仕組みですが、基本給自体は安定して支給されるため、収入の大部分は保証されています。
年俸制はやばい?4つのデメリット

年俸制には魅力的なメリットがある一方で、知っておくべきデメリットも存在します。これらのデメリットを理解した上で、年俸制を選択するかどうかを判断することが重要です。
1. 「固定残業代」が含まれる場合がある
年俸制で最も注意すべきデメリットの一つが、固定残業代の問題です。
多くの年俸制企業では、月40時間や80時間分の残業代を年俸に含めて設定しています。
これは「みなし残業制」とも呼ばれ、実際の残業時間に関わらず一定時間分の残業代が支給される仕組みです。
また、固定残業代を含んだ年俸額を提示されると、一見高額に見えますが、実際の時給換算をすると月給制よりも低くなることがあります。
年俸制の企業に転職を検討する際は、固定残業代の有無と詳細な条件を必ず確認し、実際の労働時間と照らし合わせて判断することが重要です。
2. 次の年俸更改まで成果が反映されない
年俸制では優秀な成果を上げても、その評価が給与に反映されるまでに最大1年間待つ必要があります。
これは月給制において、年度途中での昇進や特別手当の支給があり得ることと対照的です。
特に成果の出るタイミングが年度後半に偏っている場合、評価されるまでの期間がさらに長くなってしまいます。
大きな売上を達成したりしても、すぐには報酬として返ってこないため、達成感や満足感が薄れてしまうことがあります。
特に短期的な成果を重視する業界では、この点が大きなデメリットとなる場合があります。
3. 業績によっては翌年度の収入が下がる
年俸制の最大のリスクは、成果を出せなかった場合に翌年度の年俸が減額される可能性があることです。
月給制では基本給が下がることは稀ですが、年俸制では前年度の評価次第で大幅な減額もあり得ます。
特に成果主義が徹底されている企業では、業績不振による減額幅が10%から30%に達することも珍しくありません。
また、個人の成果だけでなく、会社全体の業績悪化が年俸に影響することもあります。
業界の不況や市場環境の悪化によって、優秀な成果を上げていても年俸が据え置かれたり、減額されたりするケースが存在します。
このような外的要因による収入減は、個人の努力だけでは回避できないため、大きなリスクと言えるでしょう。
4. ボーナスがない場合がある
年俸制では多くの場合、年俸にボーナス相当額が含まれているため、追加的な賞与支給はありません。
月給制のように夏季・冬季のボーナスによる収入の増加を期待することができず、年間を通じて一定額の収入となります。
これは一見安定しているようですが、実際には総収入で不利になる可能性があります。
月給制の場合、業績が好調な年には賞与が増額されるため、年俸制よりも高い年収を得ることができます。
例えば、基本給30万円で賞与が年間6か月分支給される月給制の人と、年俸500万円の人を比較すると、月給制の人の年収は540万円となり、年俸制を上回ります。
結果として、計画的な資金運用が困難になるデメリットがあります。
年俸制の3つのメリット

年俸制にはデメリットもありますが、一方で月給制にはない魅力的なメリットも多く存在します。これらのメリットを活かせる人にとって、年俸制は非常に有効な給与制度となります。
1. 給与総額が決まっており計画を立てやすい
年俸制の最大のメリットは、年度開始時点で年間の収入が確定していることです。
月給制では賞与の額が業績によって変動するため、年収の正確な予測が困難ですが、年俸制では契約時点で年間収入が明確になります。
これにより、住宅購入やローンの返済計画、教育費の積み立てなど、長期的な資金計画を立てやすくなります。
さらに、転職を検討する際も年俸制の方が条件比較をしやすいというメリットがあります。
月給制の場合は基本給、各種手当、賞与を総合的に計算する必要がありますが、年俸制では提示された年俸額をそのまま比較することができるため、転職判断が明確になります。
2. 成果やスキルに応じた昇給が期待できる
年俸制では年功序列に関係なく、成果やスキルに応じて大幅な昇給が可能です。
月給制では勤続年数や年齢による昇給が一般的ですが、年俸制では20代の若手でも優秀な成果を上げれば、ベテラン社員を上回る年俸を得ることができます。
この実力主義的な側面は、向上心の高い人にとって大きなモチベーションとなります。
特に専門性の高い職種では、スキルアップや資格取得が直接的に年俸アップにつながります。
IT分野でのプログラミングスキル向上、営業職での売上目標達成など、明確な成果指標がある職種では年俸制のメリットを最大限に活用できるでしょう。
自分の能力と努力を正当に評価してもらいたい人には、年俸制が適しているでしょう。
3. 職種によっては高額の報酬を得られる
年俸制を採用する企業や職種では、月給制では到達困難な高額報酬を得られる可能性があります。
特に外資系企業、IT企業、コンサルティング会社、金融機関などでは、年俸1000万円を超える高額報酬も珍しくありません。

これらの業界では個人の成果が会社の業績に直結するため、優秀な人材に対して惜しみない報酬を提供する傾向があります。
営業職では売上目標の大幅な達成により、基本年俸に加えてインセンティブが支給される場合があります。
優秀な営業担当者の中には、年俸2000万円以上を獲得する人も存在します。
月給制では基本給の大幅な増額は困難ですが、年俸制では市場価値に応じた適正な報酬を得やすい環境があります。
月給制を採用する企業の特徴

月給制を採用する企業には共通した特徴があります。これらの特徴を理解することで、どのような企業で働きたいかの判断材料となるでしょう。
じっくり若手を育成したい企業
月給制を採用する企業の多くは、長期的な視点で人材育成を行う方針を持っています。
新卒採用に力を入れ、入社後数年をかけてじっくりとスキルを身につけさせる文化があります。
このような企業では、即戦力よりも将来性や人柄を重視した採用を行い、研修制度や教育体系が充実している傾向があります。
年功序列の色合いが強く、勤続年数に応じた昇進・昇給システムが確立されています。
このような企業では、短期的な成果よりも長期的な成長を重視するため、安定した環境でスキルアップしたい人には適した企業文化と言えるでしょう。
チームワークが協調性を重視する企業
月給制を採用する企業では、個人の成果よりもチーム全体の成果を重視する傾向があります。
プロジェクトを複数の部署や担当者で協力して進める文化があり、個人の突出した成果よりも全体の底上げを図る方針を取っています。
このような企業では、コミュニケーション能力や協調性が高く評価されます。
評価制度においても、個人の売上や成果だけでなく、チームワークやリーダーシップ、後輩指導なども重要な評価項目となっています。
年俸制企業では個人成果が重視されがちですが、月給制企業では多角的な評価が行われるため、様々な強みを持つ人材が活躍できる環境があります。
協調性を大切にし、安定した環境で働きたい人には適した企業と言えます。
評価制度が整っていない企業
月給制を採用する企業の中には、客観的な評価制度が十分に整備されていない場合があります。
年俸制では明確な成果指標や評価基準が必要ですが、
月給制では年功序列や上司の主観的な判断に依存した評価が行われることがあります。これは必ずしも悪いことではありませんが、透明性や公平性の面で課題となる場合があります。
このような企業では、数値で測定しにくい業務や、長期的な取り組みが正当に評価される傾向があります。
営業職のように売上という明確な指標がない職種でも、人間関係の構築や品質向上への貢献などが評価されることがあります。
定量的な評価が困難な業務に従事している人には、こうした評価文化が適している場合があります。
このような企業で働く場合は、自分なりに成果を可視化し、上司とのコミュニケーションを密に取ることが重要になります。
年俸制における注意点

年俸制で働く際には、契約内容や労働条件について特に注意深く確認する必要があります。これらの注意点を理解していないと、思わぬ不利益を被る可能性があります。
年俸の中に残業代が含まれているケース
年俸制で最も注意すべき点は、固定残業代の存在です。
多くの年俸制企業では「月40時間分の残業代を含む」といった条件が設定されています。
この場合、設定された時間内の残業については追加の残業代が支給されません
また、固定残業代の時間設定が異常に高い企業(月80時間以上など)は、長時間労働が常態化している可能性があるため注意が必要です。
健康面や私生活への影響を考慮し、自分が継続可能な労働環境かを慎重に判断しましょう。
ボーナスも年俸に含まれるケースがある
年俸制では賞与が年俸に含まれている場合が多く、月給制のような追加的なボーナス支給は期待できません。
これは一見すると明確で分かりやすいシステムですが、実際には月給制と比較して不利になる可能性があります。
月給制では業績好調時に賞与が増額されるため、好調な年には年俸制よりも高い年収を得ることができるからです。
この点も年俸制を選択する際の重要な検討要素となります。
会社によってはブラックな運用もできる
年俸制は適切に運用されれば良い制度ですが、悪意のある企業によってブラックな運用をされる可能性があります。
例えば、高額な年俸を提示しておきながら、実際には長時間労働を前提とした時給換算で考えると最低賃金に近い水準になってしまうケースがあります。
特に「年俸800万円」といった魅力的な数字に惑わされ、労働条件の詳細を確認せずに入社してしまうと、後で後悔することになりかねません。
また、成果が出ない場合の減額幅が異常に大きく設定されている企業もあります。
前年比で50%以上の減額を行うような企業は、年俸制を人件費削減の手段として悪用している可能性があります。
正常な評価制度であれば、よほどの問題がない限り大幅な減額は行われません。契約前に過去の昇給・減額実績を確認することをお勧めします。
まとめ:成果に自信がない人は月給制のほうが無難

年俸制と月給制の比較検討を通じて、それぞれの制度には明確な特徴とメリット・デメリットがあることが分かりました。
年俸制は成果主義を好み、自分の能力に自信がある人には大きな可能性を提供する制度です。
一方で、安定性を重視し、着実なキャリア形成を望む人には月給制の方が適しています。
最終的な判断は、あなた自身の価値観、スキル、ライフステージによって決まります。
どちらの制度を選ぶにしても、契約条件を詳しく確認し、将来的なリスクと機会を慎重に評価することが重要です。
迷った場合は、まず月給制での経験を積み、十分な実力と自信を身につけてから年俸制に挑戦するという段階的なアプローチも有効でしょう。
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もし年俸制のブラック企業に入ってしまったら

年俸制を悪用するブラック企業に入社してしまった場合、一人で抱え込まず適切な対処法を取ることが重要です。
まず、労働条件通知書や雇用契約書を確認し、実際の労働条件と契約内容に相違がないかをチェックしましょう。
固定残業代の時間設定と実際の残業時間、年俸の内訳と支給状況などを詳しく記録することが大切です。
未払い残業代がある場合は、労働基準法に基づいて請求することができます。
しかし、在職中の残業代請求はオススメしません。人事評価を下げられたり追い出されたりする可能性があるからです。
オススメは、退職と同時に未払い残業代を請求することです。
法律事務所フォワードでは、労働問題に関する相談も承っております。
年俸制に関する契約トラブルや未払い賃金の請求など、労働者の権利を守るためのサポートを行っています。
適切な法的対応により、あなたの権利を守り、より良い労働環境を実現するお手伝いをいたします。
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法律事務所FORWARD 代表弁護士
監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)
弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。

