「急いでいるのに、財布を家に忘れてきてしまって…」
「家族が事故に遭って、病院に行かないといけないんです」
駅でこんな言葉を掛けられ、お金を貸してしまった方いませんか?
きちんと返してくれればいいですが、返ってこない場合は寸借詐欺かもしれません。
もし、寸借詐欺に遭ってしまったら、少額なので取り返すことをためらう方も多いと思います。
しかし、泣き寝入りするのは早いです。
犯人が同じ手口を繰り返している場合、少額でも事件として立件される可能性があるからです。
弁護士に相談すれば、もしかしたら返金請求をできるかもしれません。
- お金が返ってくる可能性はゼロではない
- 寸借詐欺を確実に見破れる方法を解説
- 判断に困ったら弁護士への相談がオススメ!
- 法律事務所FORWARDなら全力で寄り添ってご対応します。
目次
寸借詐欺の見分け方と断り方

寸借詐欺の被害を防ぐには、あらかじめ断り方や確認方法を知っておけば、その場で迷わず対応できます。特に、連絡先確認や警察への同行提案は、詐欺師が避けたがる行動のため有効です。
寸借詐欺の見分け方
渡された連絡先にその場で電話する
寸借詐欺師は、本当の連絡先を教えることはありません。
そのため、連絡先を受け取ったらその場で発信し、相手が本当にその番号を使用しているか確認しましょう。
通じない、また相手が電話をかけるのを止めてきたら、詐欺の可能性が極めて高いです。
お金を渡したらすぐに逃げてしまうので、可能な限りその場で連絡先を確認しましょう。
交番に行って貸してもらうよう促す
もし連絡先を教えてくれないなら、交番で貸してもらうように促しましょう。
2つの効果があります。
- 詐欺なら警察への同行を嫌がる
- 詐欺でなくても、実際に借りることができる
本当に困っている人なら、実際に交番でお金を借りることができるのです。
公衆接遇弁償費という制度があり、おおよそ1,000円以内であれば借りることができます。
警察が市民の緊急時における利便を図るために設けられた制度です。
「交番に行って借りましょう」と言ったとき、もし寸借詐欺ならその提案には乗ってきません。高い確率でその場を立ち去ります。
特に人通りの少ない場所や夜間では、交番まで一緒に行く提案は自分の身を守る手段にもなります。
ほぼ確実に詐欺を見破れる、避けることができる有効策です。
寸借詐欺の断り方
知らない人にお金を貸さない
ゼッタイに詐欺に遭いたくないなら、面識の浅い人からの金銭依頼は、何があっても応じないことが鉄則です。
寸借詐欺は、善意や情けに付け込む形で成り立つからです。
本当に困っている人であれば、見知らぬ人に助けを求めるのは最後の手段のはずです。
詐欺の意図があるかどうかにかかわらず、安易にお金を借りてこようとする人と接点を持つと、あとでトラブルになる可能性もあります。
「現金持ってなくて…」と明確に断ることで、不必要なトラブルを回避できます。
持ち合わせがないと言って断る
お金を貸さずに済む一番の方法は、『お金をまったくもっていない』と伝えることです。
- 持ち合わせがなくて…
- 現金を持ち歩いていなくて…
寸借詐欺師は「少しだけなら…」と思う金額を提示してきます。
しかし、電子マネーが使える今の時代なら、「現金を持っていない」と伝えても違和感がありません。
もしそれでも食い下がってくるなら、交番で借りられることを相手に伝えてみましょう。
寸借詐欺の被害に遭った場合の対応

寸借詐欺の被害に遭った場合、迅速な対応が被害回復の鍵になります。。
警察へ相談する
手痛い金額をだまし取られた場合は、警察へ相談しましょう。寸借詐欺は通常少額なので、泣き寝入りする人も多いです。
しかし、詐欺の規模によっては、加害者が逮捕されます。
- さらなる被害を食い止めることができる
- 被害者が多い場合、逮捕に追い込めるかもしれない
- 詐欺と認められることでお金が返ってくる可能性がある
- 1.5万円程度×10件以上の被害で立件された例がある
ただし、被害届が受理されるかどうかは、証拠の有無や被害金額の大きさによって左右されます。
弁護士へ相談する
もし寸借詐欺の被害回復を考える場合、弁護士への相談がもっとも有効です。
ただし、被害額が10万円を超えないと、かえってマイナスになる可能性が高いので注意が必要です。
- 着手金:10万円程度から
- 成功報酬:取り返した金額の5%~30%ほど
しかし、取り返せる可能性はゼロではないので、迷ったら相談してみることをオススメします。
寸借詐欺とは?

寸借詐欺とは、嘘をついてお金をだまし取る手口
寸借詐欺とは、返す意思がないにもかかわらずお金を借り、返さずにだまし取る行為です。
少額といっても、刑法246条の詐欺罪に該当します。
- 少額で借りようとする
- 緊急性を主張する
- 情に訴える
犯人は、被害者の善意につけ込み短時間で金銭をだまし取ろうとしてきます。
駅や繁華街、観光地など人の出入りが多い場所で発生しやすいです。
被害者は貸した金額が少ないため泣き寝入りして、警察や弁護士に相談しない人も多いです。
寸借詐欺の具体的な手口6選
寸借詐欺にはいくつかの典型的パターンがあります。
手口①:「財布を忘れた・なくした」と嘘をつく
寸借詐欺で最もよく使われるのが、「財布を忘れた」「落とした」というウソです。
「家までの交通費が足りない」「電車に乗らないと仕事や用事に遅れる」など、今すぐお金が必要な状況を装ってきます。
「必ず返すから」と返済を約束しますが、最初から返す意思はありません。
手口②:人の善意を利用する
この手口は、人を助けたいという感情を巧みに利用します。
「家族が事故にあって、すぐに病院に行かないといけない」
「本当に困っていて、人にお願いするのは初めてなんです」
慣れている寸借詐欺師は、貸したくなる雰囲気を作り出すことに長けています。判断に困ったら、交番で借りることを提案してみましょう。
手口③:少額で借りようとする
寸借詐欺は高額を求めず、数百円から数千円程度の金額を狙います。
理由は二つあります。
- 借りやすい金額だから
- 被害者が泣き寝入りする可能性が高いから
数百円であれば「この程度の金額なら…」という気持ちになりやすいですよね?
また、数千円の被害であれば泣き寝入りする可能性が高いため、あえて少額でだまし取ろうとしてきます。
手口④:焦らせて判断を急かす
寸借詐欺の加害者は、冷静に考える時間を与えません。
「5分後の便に乗らないといけない」「バスが出るまで残りわずか」など、時間的プレッシャーをかけることで判断力を奪います。
焦っている状態では相手の言葉を疑いにくくなるため、確認せずに貸してしまいがちです。
この心理的効果を利用し、短時間で金銭を得るのが狙いです。
手口⑤:断りにくい頼み方をする
断らせないようにするため、「帰ることができず困っている」「今日だけ助けてください」といった、相手の情に訴える表現を使います。
実際に逮捕された手口では、「車がレッカー移動されて帰れない」といって、10人以上からお金をだまし取った例があります。
手口⑥:虚偽の連絡先を伝える
寸借詐欺の犯人は、信用を得るために連絡先を教えるふりをします。
しかし、教えられた電話番号は実際には存在しなかったり、本物に見せかけた名刺や身分証でだましたりする手口もあります。
寸借詐欺の場合、帰宅してから連絡を取ろうとしても手遅れです。ウソの連絡先であることが家でわかったところで、犯人への連絡手段がないからです。
連絡先を提示されたらすぐに電話をかけ、繋がるかどうかをその場で確認することが最大の予防策です。
寸借詐欺で成立する罪と量刑

詐欺罪が適用される(法定刑は懲役10年)
寸借詐欺は、刑法246条の詐欺罪に該当します。
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」であり、金額の大小に関係なく適用されます。
犯罪が成立する条件は「相手をだまして財物を交付させ、その財物を不法に得る意思があった」ことです。
寸借詐欺の場合、返済するつもりが最初からなかった時点でこの要件を満たします。
事件化されるケースは少ない
もっとも、実際に事件化されるケースは多くありません。
理由は被害金額が少額で、被害者が泣き寝入りする傾向が強いためです。
少額でも刑事事件として扱えるため、被害届の提出は法的権利として認められています。
ただし、実刑となるかは被害金額、被害者の数、前科の有無、被害弁償の有無などによって判断されます。
寸借詐欺で逮捕された実例
寸借詐欺は少額だから逮捕されにくいと思われがちですが、悪質性が高く被害が複数に及ぶ場合には逮捕されることがあります。
例えば、佐賀地判令和3年1月18日では、交通事故に遭ったと装い、見知らぬ人から金銭をだまし取った被告人が詐欺罪で有罪判決を受けました。
また、福井地判令和2年9月10日では、被災者であると偽って同情を引き、金銭を騙し取った事例が有罪とされています。
これらの事案では、虚偽の理由と金銭授受の経緯が証拠で裏付けられ、返済意思がなかったことが明らかになっています。
実例から分かるのは、虚偽の理由と不返済の意思が立証されれば、少額でも詐欺罪は成立し得るという点です。
寸借詐欺が立件(逮捕)されにくい理由

被害者が被害を名乗り出ないから
寸借詐欺は法的には詐欺罪に該当しますが、実際には立件が難しい犯罪です。
まず、少額であるため被害者が被害を名乗り出ないことです。
金額が数百円から数千円程度の少額であるため、被害届を出す手間や時間を惜しみ、泣き寝入りしてしまう人が多いのです。
立証が難しいから
また、詐欺罪の立証が難しいことです。
詐欺罪は「最初から返す意思がなかった」ことを証明しなければなりません。
これを裏付けるには、明確な証拠が必要です。録音、監視カメラ映像、やり取りの記録などがなければ、立件するまでになりません。
結果として、寸借詐欺は発覚や逮捕が難しく、犯人が同じ手口を繰り返す温床となっています。
寸借詐欺で逮捕された場合の流れ

寸借詐欺で逮捕されると、一般的な刑事事件と同じ手順で手続きが進みます。
逮捕
警察が被疑者を、詐欺罪で身柄拘束する段階です。
逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。
勾留判断 ⇒ 勾留
検察官が逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断すれば、裁判官に勾留請求を行います。
勾留が認められると10日間、延長でさらに10日間の身柄拘束が可能です。
起訴・不起訴の判断
勾留期間中に検察官が証拠を精査し、起訴するか不起訴にするかを決定します。
被害者との示談成立や弁償があれば、不起訴や略式命令になる場合があります。
刑事裁判
起訴されれば裁判が開かれ、証拠や証言をもとに有罪か無罪かが判断されます。有罪の場合、量刑(刑の重さ)が決定します。
服役
懲役刑が言い渡され、執行猶予がつかない場合は刑務所に収監されます。服役期間は判決で決まります。
寸借詐欺でよくある質問

ここでは、よく寄せられる質問に対して具体的かつ現実的な回答を示します。
寸借詐欺に遭ったら泣き寝入りするしかない?
A.必ずしも泣き寝入りする必要はありません。
可能性は低いですが、証拠次第で立件や返金請求が可能です。警察に被害届を出すことで、加害者の追及や刑事手続きが開始されます。
同様な被害者が多いほど確率は高まります。
重要なのは、被害が軽微でも早めに行動することです。
まとめ:寸借詐欺に遭ったらダメ元で警察か弁護士に相談
寸借詐欺は、たとえ数百円であっても警察に相談することが重要です。
同様な被害が多ければ多いほど、警察が動いてくれる可能性が高くなるからです。また、事件として立件されることで、返金請求ができる可能性も高まります。
結論として、寸借詐欺に遭ったときは「泣き寝入りせずまずは警察へ。そして必要に応じて弁護士へ」相談することが最善の解決策です。

法律事務所FORWARD 代表弁護士
監修者:保坂 康介(ほさか こうすけ)
弁護士登録から11年が経過し、これまで一つ一つの案件に丁寧に向き合い、着実に実績を積み重ねてまいりました。借金問題解決を強みとしており、今後も皆様と共に前進し、弁護士として的確な法的サポートを提供できるよう努めてまいります。



