弁護士と行政書士の違い
どちらも法律の専門家(プロ)であることには間違いありません。
結論から言うと、契約書のリーガルチェックや作成はどちらも行うことができますから、どちらが良いかは一概に言うことはできません。
弁護士の業務範囲
弁護士の業務範囲は弁護士法3条1項に定められています。
つまり、「当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うこと」を職務とすると定められており、契約書の作成やリーガルチェックは「その他一般の法律事務」に含まれていると言えます。
弁護士の業務範囲が一般の法律事務と非常に広範囲にわたるので、他の法律職(行政書士、司法書士)の業務を弁護士の資格として行うことができることになります。
行政書士の業務範囲
行政書士の業務範囲は、「官公署に提出する書類(途中、省略)その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること(行政書士法第1条の2)」です。
この中に契約書の作成とリーガルチェックが含まれていると言えます。
このようにどちらも契約書のリーガルチェックをすることができるので、どちらに依頼しても良いのですが、それぞれに依頼するメリット・デメリットをお伝えしておいた方が良いでしょう。
弁護士に依頼するメリット・デメリット
メリット
取り扱いの頻度が多い
弁護士は大体どういった法律事務所であっても契約書のチェック業務に携わることが日常茶飯事と言えます。したがって、ご依頼者の方へ丁寧で且つ迅速な回答ができると言ってよいかと思います。
弁護士は大体どういった法律事務所であっても契約書のチェック業務に携わることが日常茶飯事と言えます。したがって、ご依頼者の方へ丁寧で且つ迅速な回答ができると言ってよいかと思います。
信頼度・ネームバリュー
また、手前味噌ですが、世間の弁護士に対する信頼度・ネームバリューは高いものがあるため、相手方に契約書の案を提示するときやリーガルチェック結果を回答する時に弁護士のリーガルチェックを経た旨伝えることで、先方により納得してもらいやすいというアドバンテージがあるでしょう。
デメリットは費用面
デメリットとしては、費用の面でしょうか。費用体系はバラバラでしょうが、行政書士の設定する費用と弁護士の設定している費用を比較すると弁護士の設定している費用の方がより割高なのは否めません。
当事務所では契約書のリーガルチェック費用として5~10万円程度でお受けすることが多いと言えます。
行政書士に依頼するメリット・デメリット
メリット
費用が抑えられる
行政書士によってまちまちだとは思いますが、弁護士と比較すると割安で依頼をすることができるでしょう。
数千円から1、2万円の範囲で依頼できるところが多いのではないかと思います。
業界専門の行政書士
特定の業界を専門にされている行政書士であれば、その業界に関する契約書のチェックについては経験が豊かで、正確かつ迅速な対応が期待できるかと思います。
デメリットは経験の浅さ
もっぱら行政手続に関連する書類の作成に携わっている行政書士の場合のように、契約書のリーガルチェックを受け持ったことの無い場合もあります。
そうすると、知識と経験が薄いので、回答まで時間がかかるなどのデメリットは予想しなくてはなりません。