契約書のリーガルチェックとは何ですか?

契約書のリーガルチェックとは取引の相手方と契約を締結する前に、この契約書によってどのような法律上の権利・義務が自分たちにもたらされるか、それによって自分たちが不利な立場になることはないか、この契約書が関係法律に違反しているところはないかを確認することです。

契約書には取引当事者が有することになる権利や負うべき義務が記載されています。

日本の民法では契約自由の原則という建前が取られているため、契約書に署名・押印をすれば一部の例外を除き、その契約書に記載されている権利は行使することができますし、契約書に記載されている義務は負わなくてはなりません。

そのような強い効力が契約書にはあるのです。

だからこそ、自身にとって重い義務を必要以上に課せられていないか、本来持っていて然るべき権利が認められていないと言ったことはないかを確認するために契約書のリーガルチェックが必要になってくるのです。

では、どのようにチェックをしていくのでしょうか。

重い義務を必要以上に課せられていないか、持っていてしかるべき権利が削られていないかどうかは、大体は民法が基準になっています。
民法上認められているべき権利が契約書で削られていないかどうか、民法上認められている権利行使期間よりも不当に短い期間とされてないかどうかを民法その他の関係法律を参照しながらチェックしていくわけです。

また、契約自由の原則の建前が取られ、民法その他の法律とは異なる権利・義務の設定が可能であると言っても、公序良俗に反するような内容であったり、強行法規に反するような契約部分は無効となります。

つまり、本当は公序良俗違反若しくは強行法規違反で無効であるにもかかわらず、無効の義務を履行してしまったり、無効の権利を行使して取引の相手方との関係が壊れてしまったりといった不利益を被ってしまうため、そうならないように契約書に公序良俗違反・強行法規違反となる条項はないかどうかもチェックする必要が出てくるのです。

このように、契約書のリーガルチェックは自身が契約上の不利益を被らないようにするために踏むべき必要最小限のプロセスだということを知っていただきたいです。

法律違反を犯していないことを確認し、不利な権利・義務を有していないことを確認して初めて安心感をもって初めてビジネスに注力することができると思うので、皆様にはぜひ綿密な契約書のリーガルチェックを実施していただきたいと願っております。

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